耐火ガラスについて、このような疑問はありませんか?
「耐火ガラスの種類は?」
「耐火ガラスに関する注意点を知りたい」
「耐火ガラスは特定防火設備になる?」
耐火ガラスは火災対策として使用されることが多いですが、具体的にどのようなガラスなのか知らないという方も多いのではないでしょうか。
ただしく耐火ガラスについて理解していないと、本来必要な機能が備わっていない耐火ガラスを選んでしまう恐れもあります。
そこで本記事では、耐火ガラスの概要や種類、役割、注意点、特定防火設備になる条件などについて詳しく解説します。
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耐火ガラスとは?
耐火ガラスとは、火災が発生した場合でも、一定時間、炎や熱を遮断し、延焼を防止するように設計されたガラスです。
一般的には、フロートガラスと呼ばれる平らなガラスの間に、ワイヤーメッシュと呼ばれる金属網を挟み込んで製造されます。
耐火ガラスにはいくつかの種類があり、火災に耐えられる時間などが変わってくるため、どのような機能を持っている耐火ガラスなのかを確認することも大切です。
耐火ガラスの種類
耐火ガラスの種類は以下の通りです。
- 網入り耐火ガラス
- 防耐火ガラス
それぞれの耐火ガラスについて、以下で詳しく解説します。
1. 網入り耐火ガラス
網入り耐火ガラスは、フロートガラスと呼ばれる平らなガラスの間に、ワイヤーメッシュと呼ばれる金属網を挟み込んで製造されます。ワイヤーメッシュは、ガラスが破裂しても飛び散るのを防ぎ、延焼を抑制する効果があります。
網入り耐火ガラスは、最も安価な耐火ガラスであり、防火扉や防火区画など、幅広い用途に使用されています。
2.防耐火ガラス
防耐火ガラスは、高強化ガラスと呼ばれる強化されたガラスと、ケイ酸ソーダ層と呼ばれる特殊な層を交互に積層して製造されます。
ケイ酸ソーダ層は、火災発生時に発泡し、熱を吸収することで、ガラスの温度上昇を抑制する効果があります。
防耐火ガラスは、網入り耐火ガラスに比べて耐火性能が高く、破損しにくいという特徴があります。窓や煙突など、高温にさらされる場所に使用されます。
3.網入り耐火ガラスと防耐火ガラスの比較表
網入り耐火ガラスと防耐火ガラスを比較した表は以下の通りです。
網入り耐火ガラス | 防耐火ガラス | |
耐火性能 | 30分~120分 | 60分~180分 |
耐久性 | 低い | 高い |
価格 | 安価 | 高価 |
主な用途 | 防火扉、防火区画 | 窓、煙突 |
このように、同じ耐火ガラスでも耐火性能に大きな違いがあり、用途が異なるということを押さえておくといいでしょう。
耐火ガラスの役割
耐火ガラスの主な役割は以下の通りです。
- 延焼を抑制する
- 避難時間を確保する
- 財産を守る
それぞれの役割について、以下で詳しく解説します。
1. 延焼を抑制する
耐火ガラスの最大の役割と言えるのが、火災発生時に炎や熱を遮断することで延焼を防ぐというものです。
万が一火災が発生した場合、耐火ガラスなどの防火設備がないとすぐに炎や熱が広がってしまい、大規模な火災になってしまいます。
このように、すぐに広がってしまう炎や熱を耐火ガラスによって防ぐことができるのです。
2. 避難時間を確保する
耐火ガラスは、火災発生時に避難経路を確保することで、避難時間を確保するという大きな役割もあります。
火災発生時に窓ガラスがすぐに割れてしまうと炎だけでなく煙も蔓延してしまうため避難経路がなくなってしまいますが、耐火ガラスを設置することで避難経路を確保することができるのです。
火災発生時に避難経路を確保することは人命救助において非常に重要なポイントとなります。
3. 財産を守る
耐火ガラスによって炎や熱の蔓延を防ぐことで、財産を守るという役割もあります。
火災発生時には逃げ遅れる可能性があるため財産を置いて避難することが必要ですが、炎や熱の蔓延を防ぐことができれば、財産が全勝する前に消火できる可能性もあります。
耐火ガラスに関する注意点
耐火ガラスに関する注意点は以下の通りです。
- 一般住宅でも設置義務がある場合がある
- 防犯性能が不十分な場合がある
それぞれの注意点について、以下で詳しく解説します。
1.一般住宅でも設置義務がある場合がある
「都市計画法」によって定められている防火地域や準防火地域に建物を建築する場合、建築基準法に基づき、外壁の開口部に防火設備を設置する必要があります。
防火設備には、防火扉、防火窓、防火シャッター、防火ガラスなどが含まれ、耐火ガラスについてはワイヤーの入った網入りガラスを使用する必要があります。
2.防犯性能が不十分な場合がある
耐火ガラスは一般的な窓ガラスよりも耐久性に優れていますが、耐火ガラスの防犯性能は不十分になることもあります。
「財団法人都市防犯研究センター」が元泥棒を対象に侵入を諦める時間について調査をおこなったデータによると、泥棒が空き巣を試みてから侵入を諦めるまでの時間が「2分以内」が17%ほど、「2分〜5分以内」が51%となっているため、防犯対策の基準としては5分以上ガラスが破られないという条件が必要となります。
防犯対策に十分な性能を持っているガラスにのみ付いている「CPマーク」が付いている耐火ガラスを選ぶ、もしくは格子や防犯カメラ、内窓などを組み合わせて防犯対策をすることが大切です。
耐火ガラスは「特定防火設備」になるのか?
結論から申し上げますと、耐火ガラスだからといって「特定防火設備」になるとは限りません。
そもそも「特定防火設備」は、火災の際に加熱面以外の面に1時間以上火を出さない性能を持つ防火設備を指すため、これらの基準を満たしていない耐火ガラスは「特定防火設備」とは認められませんし、耐火ガラス以外の枠組などについても耐火性能が高くないと「特定防火設備」としては認められないのです。
また、「特定防火設備」として認められるためには以下のような基準を満たしている必要があります。
- 耐火性能が建築基準法で定められた特定防火設備の性能を満たしている場合
- 枠や金具などの付属品も耐火性能を備えている場合
- 国土交通大臣の型式認定を受けている場合
このように、「特定防火設備」は基準のもと認定されているため、耐火ガラス=特定防火設備という認識は間違いです。
まとめ
本記事では、耐火ガラスの概要や種類、役割、注意点、特定防火設備になる条件などについて詳しく解説しました。
耐火ガラスにはいくつかの種類があり、耐火性能も異なります。
そのため、どのような用途に使用する耐火ガラスなのかを明確にした上で、専門業者を相談しながら機能性を確認することがおすすめです。
ぜひ本記事を参考にして、耐火ガラスについてチェックしてみてください。