「リビングのカーテンを全開にして開放的に過ごしたい」 「道路からの視線が気になって、庭でBBQどころじゃない」
そんな悩みを解決する「目隠しフェンス」ですが、実は外構リフォームの中で最も「後悔」の声が多い工事の一つであることをご存知でしょうか?
「高さすぎて刑務所の壁みたいになった」 「台風でフェンスが根元から折れた」 「お隣さんから『日陰になった』とクレームが来た」
これらは全て、私が現場で実際に見てきた失敗事例です。 目隠しフェンスは、単に視線を遮ればいいというものではありません。「高さ」「風通し」「基礎の強度」の3つを間違えると、数十万円をドブに捨てることになります。
この記事では、エクステリア工事もおこなう私が、目隠しフェンスで絶対にやってはいけない失敗パターンと、後悔しないための具体的な数値を公開します。
この記事でわかること
見た目や機能性、さらにはお財布にも直接影響しますので目隠しフェンスで失敗したくないという方は最後までご覧ください!
それでは本文スタートです。
設置してから気づく「地獄」。目隠しフェンスの代表的な後悔事例

まずは、よくある失敗事例を見ていきましょう。これらは全て「事前のシミュレーション不足」が原因です。
①【圧迫感】「高さ180cm」の壁は、想像以上に高い
「とにかく見られたくない!」という一心で、大人の身長(約170cm〜180cm)以上のフェンスを庭全面に設置してしまうケースです。
確かに視線は遮れますが、リビングから見た景色は「茶色の壁」一色になります。 特に庭が狭い場合(奥行きが2m以内など)、まるで檻の中にいるような閉塞感に襲われます。さらに、壁色がダークブラウンや黒系だと、圧迫感は倍増します。
②【暗さと湿気】風が抜けず、庭がジメジメする
目隠し効果を最強にするために隙間なし(完全目隠し)のタイプを選んだ結果、風の通り道が完全に遮断されるケースです。
風が抜けないとどうなるか?
- 夏場、庭に熱気がこもり続けて暑い。
- 雨上がりに地面が乾かず、コケやカビが生えやすくなる。
- 植物が病気になりやすい。
特に「隙間なしの樹脂フェンス」は、壁を作っているのと同じです。通風を甘く見てはいけません。
③【恐怖】DIYで設置したフェンスが強風で傾く
これが一番怖い後悔です。 ネット通販で買った置くだけフェンスや、ホームセンターの材料でDIY施工したフェンス。 これらは、プロが施工する独立基礎(コンクリートの塊を地中に埋める)とは強度が雲泥の差です。
高さ180cmのフェンスは、台風の時、巨大な「帆」となって強烈な風圧を受けます。 「朝起きたらフェンスが倒れて、お隣の車を直撃していた」 そんな事態になれば、目隠しどころか損害賠償問題に発展します。
④【人間関係】お隣さんから「嫌味な壁」と思われた
境界線ギリギリに高いフェンスを立てると、お隣さん側からすれば「突然、目の前に壁ができた」ことになります。 さらに、それが日当たりや風通しを阻害する場合、「あそこの家は自分たちのことしか考えていない」と、近隣トラブルの火種になることがあります。
⑤【予算】本体価格だけ見て計画し、見積もりに絶句
カタログやネット通販でフェンスの本体価格だけを見て、これなら安くできる!と安易に計画してしまうケースです。
実は、目隠しフェンスの費用において、フェンス本体の価格は全体の一部に過ぎません。 業者が安全に施工するためには、以下の費用が必ず発生します。
- 柱の費用: 風を受ける目隠しフェンスの柱は太くて丈夫なものが必要で、意外と高額です。
- 基礎工事費: ブロックの穴に挿すのではなく、地面を掘ってコンクリートの基礎(独立基礎)を作る費用。
- 既存撤去費: 今あるフェンスやブロックを壊す費用。
「10万円くらいでできると思っていたら、見積もりが30万円を超えていた」 という予算オーバーは、外構工事あるあるです。最初から*工事費込みの総額」で考えないと、計画が途中で破綻してしまいます。
【結論】後悔しないための高さと隙間の黄金比率

では、どうすれば失敗しないのか? プロが現場で提案する「正解」の基準をお教えします。
高さは「床から140cm〜160cm」がベストバランス
「立っている人の視線を遮りたい」なら180cm必要ですが、実は家の中(リビング)にいる時の視線と道路を歩く人の視線を遮るだけなら、そこまでの高さは不要です。
- 道路との高低差を計算する: もし家の基礎が高く、道路より50cm高い位置に庭があるなら、フェンスの高さは120cm〜140cmで十分、外からの視線はカットできます。
- 部分的に高くする: 全体を高くするのではなく、「リビングの窓の正面」だけ高く(180cm)、それ以外は低く(80cm)する「段落ち施工」なら、圧迫感も費用も大幅に抑えられます。
「隙間1cm〜2cm」または「ルーバー」が最強
完全に塞ぐのではなく、以下のタイプを選んでください。
- 横板張り(隙間10mm〜20mm): 視線はカットしつつ、風と光を通します。人間の目は、少し隙間があるだけで「壁」ではなく「柵」と認識し、圧迫感が軽減されます。
- ルーバータイプ(ブラインド形状): 板が斜めになっているため風は通すけど、視線は完全に遮るという高機能タイプです。少し高価ですが、通風とプライバシーを両立させるならこれがベストです。
色は「ホワイト・ベージュ系」で広く見せる
圧迫感を減らす裏技は「色」です。 ダークブラウンや黒は高級感がありますが、どうしても「重く」なります。 ホワイトや明るい木目調(ベージュ・ライトブラウン)を選ぶと、光を反射して庭が明るくなり、同じ高さでも空間が広く感じられます。
素材選びの落とし穴。樹脂 vs アルミ vs 天然木

「おしゃれだから」という理由だけで素材を選ぶと、メンテナンス地獄に陥ります。
天然木は「腐る」前提で選ぶこと
ホームセンターで売っているSPF材などは、屋外で雨ざらしにすると2〜3年で腐り始めます。 ハードウッド(ウリンやイペ)なら20年以上持ちますが、非常に高価で加工も困難です。 「毎年、防腐剤を塗るのが趣味」という方以外には、天然木はおすすめしません。
今の主流は「樹脂(人工木)」か「アルミ」
- 樹脂フェンス(人工木): 木粉とプラスチックを混ぜたもの。見た目は木材そっくりで、腐らず、メンテナンスフリー。おしゃれな目隠しならこれが一番人気です(例:F&F マイティウッドなど)。
- アルミ形材フェンス: 金属製で最強の耐久性。サビに強く、シャープな印象。LIXILやYKK APなどのメーカー品は風速34m/s〜42m/sに耐える設計がされており、防災面でも安心です。
プロからのアドバイス。隣人トラブルを回避する伝え方
最後に、意外と重要なご近所への配慮について。 フェンス工事をする際は、必ずお隣さんに一言挨拶に行きましょう。その時の伝え方で印象が変わります。
× 悪い伝え方 「視線が気になるので、目隠しフェンスを作ります」 (これだと、「あなたに見られたくないから隠す」という拒絶のニュアンスに聞こえかねません)
◎ 良い伝え方 「リビングでお騒がせしてしまうと申し訳ないので、フェンスを設置しようと思います。日当たりなどご迷惑にならないよう配慮しますが、工事中に何かあれば仰ってください」 (あくまで「こちらのマナーとして設置する」というスタンスを見せるのがコツです)
まとめ:目隠しフェンスは基礎が命
目隠しフェンスの後悔は、高さやデザインだけでなく、安全性」に関わることが多々あります。
特に、高さ1.5mを超えるフェンスを設置する場合、DIYでの施工は非常にリスクが高いです。 ブロック塀の穴に柱を挿すだけの施工では、強風に耐えられないケースが多いため、プロは必ず「独立基礎」を使います。
- 高さは必要最低限に(シミュレーションを綿密に)。
- 風通しの良いルーバーか、隙間ありを選ぶ。
- 色は明るめにして圧迫感を減らす。
- 強度が命。高尺フェンスはプロに任せる。
一度設置したら10年、20年と付き合うことになるフェンスです。 「安さ」よりも「安全性」と「快適さ」を優先して、後悔のないお庭づくりをしてください。
