ハンガードアの仕組みとは?引き戸との違いやメリット・デメリットを解説

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引き戸の歴史は「襖」からスタートしており、現在でも日本の住宅に数多くの引き戸が使用されています。

ただ、ひとえに引き戸といってもさまざまな種類があり、その一つが「ハンガードア」と呼ばれるものです。ハンガードアは段差が生じない、開口部を広く取れるといった理由からバリアフリーの住まいを目指す方に人気ですが、一方でデメリットもあります。

そこで今回は、一般的な引き戸とハンガードアの違い、メリットやデメリットなどを解説します。

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ハンガードアの仕組み

ハンガードアは「吊り引き戸」とも呼ばれ、名前の通り上から吊り下げる構造であることが特徴です。

車輪のついたハンガーを鴨居にあるレールに引っかけ、ドアを吊り下げる形で左右にスライドさせます。鴨居がドアの荷重を支えているため、床部分に溝やレールが不要です。

なお、手動式をはじめ、半自動式のものや自動ドアなどさまざまなタイプがあります。

ハンガードアと引き戸は別物?違いとは

「引き戸=横にスライドさせて開閉するドア」という認識があると、ハンガードアと引き戸の違いが分からない方も多いでしょう。

ハンガードアは引き戸に分類されるドアタイプですが、一般的な引き戸とは異なる特徴があります。

レールの有無が大きな違い

一般的な引き戸は床部分にレールもしくは溝があり、溝やレールを軸に左右にスライドさせて開閉する仕組みです。扉の荷重を床部分で支えているため安定感がありますが、溝やレールにホコリやゴミが溜まるとスムーズに開閉できないことがあります。

一方、ハンガードアは鴨居にあるレールに引っかけ、鴨居で扉の荷重を支える上荷重となっており、床部分にはレールや溝が不要です。開閉方向は同じですが、構造の違いからレールや溝の要不要がわかれる点は大きな違いといえるでしょう。

ハンガードアのメリット

ハンガードアの特徴や一般的な引き戸との違いなどを解説しましたが、どのようなメリットがあるのか気になる方も多いでしょう。

ここでは、ハンガードアのメリットを解説します。

下側のレールがない

ハンガードアの最大のメリットは、床部分に溝やレールを設置する必要がないことでしょう。

レールがないので見た目がすっきりすることに加え、ゴミが溜まる心配もありません。レールで開閉するタイプの引き戸は、レールにゴミやホコリが溜まるとスムーズに開閉できなくなりますが、ハンガードアはそのような心配ななく、掃除しやすいので清潔な住空間を維持しやすいといえます。

また、扉の重みによってレールや溝が摩耗してしまう心配もありません。

バリアフリーに適している

ハンガードアは下側にレールがないことにより、バリアフリーに最適な建具です。

一般的な引き戸の場合、レールや溝によって生じた段差により、つまずいたり、車いすが通りにくくなったりするケースがあるでしょう。一方、ハンガードアはレールや溝が不要なので段差が生じず、床面をフラットのままにできるのです。

開閉に場所を取らない

ハンガードアは開き戸に比べ、広い開閉スペースが不要であることがメリットの一つです。

開き戸の場合、扉1枚分以上の開閉スペースが必要なので、設置場所に困ることも多いでしょう。また、スペースがない場所に無理やり設置すると、物が干渉してスムーズに開閉できない、車いすで通りにくいといった問題が起こることもあります。

ハンガードアなら、引き戸と同様に左右にスライドさせて開閉するので、限られたスペースの場所に設置でき、なおかつ扉の近くで開閉できるので車いすでも困ることはありません。

通気性に優れている

先に解説した通り、ハンガードアは鴨居で扉の荷重を支えて上から吊り下げる形式なので、下側には隙間が生まれます。

扉の下部分にできる隙間から通気が確保できるので自然に換気できます。脱衣所やランドリールームなど湿気を逃がしたい場所に適した建具だといえるでしょう。

ハンガードアのデメリット

ハンガードアのさまざまなメリットについて解説しましたが、デメリットもあります。

ハンガードアの採用を検討するときは、デメリットも踏まえたうえで検討することが大切です。

気密性が低い

ハンガードアは下部分に隙間ができるため通気性に優れていることをメリットとして挙げましたが、見方によってはデメリットにもなります。

たとえば、冬にリビングで暖房をつけて暖かくしても、ハンガードアがあると冷気がどんどん入り込んでしまいます。さらに、トイレも音やニオイ漏れが気になるでしょう。

このように、下部分にできる隙間から風が出入りしてしまうため、気密性が求められる空間には不向きなのです。

指をはさむ危険性がある

ハンガードアを開閉するときに指をはさむ危険性があることもデメリットの一つです。

開き戸や引き戸でも指をはさむ危険がありますが、とくに軽い力で開閉できるハンガードアは、子どもでも開閉できるので指をはさむ心配が大きいといえます。

最近ではゆっくりと開閉するタイプの製品が多いため、子どもやペットのいる家庭でハンガードアを採用するときは安全性に配慮された製品を選ぶようにしましょう。

ハンガードアのメーカーと製品を紹介

最後に、メーカーが販売しているハンガードアを紹介します。

LIXIL:ラシッサシリーズ

建築材料 ・住宅設備機器業界最大手の企業であるLIXILは、バリエーション豊富なハンガードアを製造・販売しています。

「わたしらしさを、かたちに。ラシッサ」をコンセプトとしているラシッサという扉のシリーズは、スタンダードな「ラシッサS」とデザイン性の高い「ラシッサD」の2シリーズがあり、どちらにもハンガードアが展開されています。

ラシッサは業界最多の28色のカラーバリエーションを展開し、ハンドルは10種類、蝶番色は6色から選択可能です。ガラスやデザインの種類も豊富なので、こだわりのハンガードアを見つけられるでしょう。

大建工業:hapia アウトセット吊戸

大建工業にもバリエーション豊富なハンガードアがあります。

「トレインウッド調」「ソリッド調」「レザー調」などの種類があり、各種類に対してさまざまな色が選択できるので、空間に合うハンガードアを探せます。

また、1枚のドアをスライドさせる片引きタイプや2枚のドアをスライドさせる引分タイプといった種類もあるので、場所やスペースに応じてサイズや扉の枚数を選べるのもポイントです。

まとめ

今回はハンガードアの仕組みや引き戸との違いなどを解説しました。

ハンガードアは鴨居で扉の荷重を支えているため、床部分にレールや溝が不要であることが特徴でありメリットです。掃除の手間がかからない、バリアフリーに適しているといった魅力があります。

しかし、気密性が求められる場所には不向きであったり、指をはさむ危険性があったりするので、どのような場所・目的で設置するのか慎重に検討しましょう。

この記事の担当者(執筆/監修)
安部圭一

株式会社スマイクリエイト代表取締役/1972年5月 福岡県生まれ
・賃貸不動産経営管理士<登録番号(1)057435>
・三協アルミ(一新助家)加盟店

20代の頃は、水道メンテナンス業務を約6年経験、2003年(31歳)に老舗サッシ屋に入社。ガラス・サッシ・ドアの修理リフォーム業務に従事。その間、アパート2棟を新築、建築から修理まで住宅について様々な体験を通じ知識の習得、キャリアを積んでいく。

2019年5月にネット集客に特化したサッシ・ガラス屋ビジネスを創業。ネット集客ができる強みを生かし、集客から施工まで一貫して自社完結できるビジネスを成立させる。この事により、お客様へ、お得な料金、安心した修理リフォームサービスを提供できる仕組みを構築した。

より一層の顧客満足・従業員満足・社会貢献を目指し、トライ&エラーの毎日を奮闘中。

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