「安否確認の為にガラスを割って消防隊の方が室内に入ったので割れた窓ガラスの修理をお願いします!」時折この様なご依頼が私共ガラス屋には入って来ます。
昨日もお取引のある賃貸管理会社様より、「管理している物件の入居者の方との連絡が取れずに、親族の方が安否確認でガラスを割って、確認後、再度ガラスを修復して頂きたいと仰っていますが対応可能でしょうか?」とお問合せ頂きご対応しました。
本日は安否確認の為にガラス修理についてガラス屋の目線で考える対応方法や費用負担について記事にしました。安否確認に関係される方はご一読頂ければ幸いです。
安否確認で割られた窓ガラスの修理費用は誰が負担する?
安否確認で、お住いの方が無事である事が一番大事な事です。その上で、安否確認に関する疑問や相談も少なからず発生します。特に消防や警察などが安否確認の為に窓ガラスを割り宅内に侵入した時「え!?安否確認はお願いしたけど・・・ガラスを割るとは言われたけど費用って私が負担するの?」この様に感じる事もある様です。
ご対応したお客様の中に
「消防の方に安否確認をお願いして住んでいる母親の無事が確認できたのは良かったけど、一番大きなガラスを割って・・・修理代がこんなにかかるとは思っていなかった・・・消防の方に請求できるのかしら?」この様に仰っていました。お客様の気持ちも分かりますが、緊急対応で消防の方はガラスを割る事を告げて侵入されていますので、消防に請求するのは少し無理があると考えます。
基本的には安否確認を依頼した本人が窓ガラスの修理代金を負担する事が一般的です。
私共ガラス屋が依頼を受ける時も、誰が費用負担するのか必ず確認します。消防や警察なのか、親族なのか、賃貸管理会社なのか、ほぼ間違いなく親族、つまり安否確認をしたい方が費用負担をされています。
安否確認を依頼する時の注意点
安否確認は通常親族など、関係が深い方がされますが、中には友人との音信普通で友人が安否確認をしたり、会社の方が無断欠席が続くと言う理由で心配になり安否確認を行うケースもあると思います。その場合もガラスを割って安否確認を行う場合、友人や会社が費用負担をする事になりますが(ガラス屋目線では)、その前に、友人や会社の人が安否確認をしようとして簡単に可能なものではありません。
他人の住居に窓ガラスを勝手に割って室内に入る事は不法行為(住居侵入罪・器物損壊罪)に該当してしまうからです。
※正当性が認められればこの限りではありません。
安否確認は親族や警察にまずは相談しましょう
友人や会社の関係者を名乗る方が「安否確認の為、ガラスを割って下さい」と当社に来られてもこの段階ではお断りせざるを得ません。この方が本当に友人なのか会社の方なのか確証が得られないからです。もしかしたら何か犯罪が関係しているケースやストーカー被害のケースも想定できます。
仮に友人や会社の同僚が心配な場合は個人的に安否確認を行うのではなく、お住いの方の親族や警察、賃貸管理会社の協力を得た上で話しを進める事をお勧めします。
第三者に立ち合いを行ってもらう事によりより適切な安否確認を行う事ができると思います。
安否確認でガラスの修理代金を安く済ませるには!
安否確認と聞くと一刻を争う緊急的なイメージが連想されますが、緊急性を伴わない安否確認もあります。まさに前回対応した管理会社様からのご依頼がそうでした。「恐らく大丈夫とは思うのですが、親族の方が室内を確認したいと仰るので安否確認の為にガラスを割って開錠して下さい」この様な内容で現地には親族の方もいらっしゃり身元も免許証で確認させて頂けました。ワンルームで室内を覗く限り異常はないけど念のため。
この様なご依頼の場合は割るガラスを選択する事で修理代金を安くする事が出来ます。具体的には、面積は小さい方がガラスの修理代金は安く済みます。網入りガラスの場合は、透明網入りガラスは高額なので型板(カスミ)網入りガラスを割る方が安く済みます。
この様に、緊迫していない安否確認の時は消防隊や警察の方にも相談ベースで安いガラスを割って貰えるように働きかけてはいかがでしょか?
ガラス割り以外の安否確認方法も検討する
賃貸管理会社が間に入っている場合は管理会社が合いカギを持っているかもしれません。その様な場合はガラスを割る事もなく室内に入る事が出来ます。
また、鍵屋さんによるピッキングでの鍵の開錠も検討する余地は十分にあります。
まとめ
本日は安否確認とその費用について重点的に考えてみました。私自身、身近な人の安否確認をしなければならない状況を経験した事がないのでお客様とのやり取りの中でしか現場を体験した事はありません。実際に緊急搬送された方やお亡くなりになられた方もいらっしゃいました。高齢者社会になるに従って高齢者の一人暮らしが多くなる傾向です。安否確認問題も今度の社会を生きて行く中で決して他人事ではないと思う今日この頃です。