日本のサッシの歴史とは?アルミサッシと樹脂サッシの普及率の違いについても解説

サッシ修理

数十年前の住まいといえばアルミサッシが一般的でしたが、近年では減少傾向にあります。

アルミサッシが選ばれにくくなっているとはいえ、実際に窓のリフォームを検討している方は、アルミサッシやアルミ樹脂複合サッシ、樹脂サッシなどさまざまなサッシの種類があり、どれを採用すべきか悩む方も多いのではないでしょうか。

そこで日本のサッシの歴史について解説したうえで、日本と世界のサッシについて比較します。日本や世界の状況や流れを把握し、どのサッシが自宅に合うか選ぶときの参考にしてください。

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アルミサッシの歴史

昭和30年代以前の日本の住宅では、木製サッシが主流でした。昔の古民家をイメージしてみると、木製サッシが採用されているのもイメージできるでしょう。

しかし、木製サッシから、スチールサッシ、アルミサッシと日本で主流のサッシは時代とともに変化し、2022年3月版『住宅用建材使用状況調査』によると、戸建てのアルミサッシ採用率は全国で75%となっています。

現在でも高いシェア率を誇るアルミサッシですが実は減少傾向にあり、樹脂サッシ(シェア率25.9%)が増加傾向にあります。

ではどのような流れでサッシが普及していったのか、日本の歴史を見てみましょう。

1950~1960年代:スチールサッシの時代

昭和30年代以前は木製サッシが主流でしたが、1950~1960年代にかけてスチールサッシが広がっていきました。

木材は材料費が高い一方、スチールは木材よりも安価でサイズを標準化できることもあり、コストダウンが図れることかた多くの建物に採用されるようになりました。

1957年:アルミサッシの製造・販売が開始

スチールサッシが拡大していく中、1957年に日本国内でアルミサッシの製造・販売がスタートしました。

スチールとアルミを比較すると、スチールは硬くて丈夫ですが加工するのがむずかしく、アルミは複雑な形状を正確に製造できるため、サッシに適していると評価されるようになりました。また、アルミサッシは正確に加工できることから気密性が高い住まいを実現しやすい点も評価されました。

1970年代:アルミサッシへの転換期

1962年にはスチールサッシがアルミサッシの約16倍の生産量を誇っていましたが、10年後の1970年代になるとアルミサッシがスチールサッシの生産量を抜き、約3倍の生産量になるまでシェアを拡大させました。

錆びにくく、軽量で加工しやすいアルミは、経済成長に伴いさまざまな建築物が建てられる日本の状況とマッチしたといえます。

また、アルミはサッシだけでなく、雨戸やフェンスなどさまざまな建具に採用されはじめ、「建具=アルミ」「サッシ=アルミ」というイメージが定着していきます。

1975年:日本初の樹脂サッシが製造・販売が開始

アルミサッシが主流となった日本において、1975年に樹脂サッシの国内製造・販売が開始しました。YKK APの樹脂窓されたのが1982年であり、この頃から各社が樹脂サッシの製造・販売をスタートさせていることがわかります。

しかし、日本で樹脂サッシの製造・販売が開始したのが1975年ごろからであるのに対し、世界で初めて樹脂サッシが開発されたのはドイツです。

1950年代半ばから開発がスタートし、アメリカでは1960年代に導入がスタート、ヨーロッパでは1980年代後半に樹脂サッシのシェアがトップになりました。つまり、日本で樹脂サッシが製造・販売がスタートしたころには、世界では主流のサッシとなっていたといえます。

1990年代:ペアガラスの誕生

1990年代になると、窓ガラスやサッシの断熱性や結露防止、防犯対策、省エネ性能が注目されるようになり、ペアガラスが誕生しました。

今ではペアガラスのほか、トリプルガラスや特殊なフィルムを挟み込んだものなどさまざまな窓があります。省エネ性能の高い住まいへの関心が高まるとともに、高性能な窓の採用が拡大していきました。

また、すでに1枚ガラスを採用している住宅では、ペアガラスにリフォームしたり、内窓を設置したりと、窓の気密性や断熱性に注目する家庭が増加するようになりました。

2000年代:トリプルガラス、樹脂サッシなど断熱性重視の住まいが拡大傾向

2000年代以降になるとさらに高気密・高断熱な窓サッシが評価されるようになり、トリプルガラスや樹脂サッシの採用が拡大しています。

また。高齢化が進む日本において、バリアフリーに注目したノンレールサッシや重い窓にアジャスターを付けるなど、工夫された建具も増加傾向にあります。

このように、時代が変化していくとともに、木製サッシからスチールサッシ、アルミサッシ、樹脂サッシへとシェアが拡大しつつあるとともに、高性能な窓も登場するようになったといえるでしょう。

日本で樹脂サッシの普及が遅れているのはなぜ?先進国と日本の状況を比較

日本のサッシの歴史について解説しましたが、日本は他の先進国と比較して樹脂サッシの普及があまり進んでいません。

アルミサッシは軽量で加工しやすく安価であることが評価されていますが、断熱性は高くありません。では、なぜ日本の樹脂サッシの普及が先進国と比較して遅れているのか見ていきましょう。

先進国では樹脂サッシの普及率が60%を超えているケースが多い

省エネで快適な住環境を作るために、先進国の国々では開口部の断熱基準の法制化が進んでいます。そのため、以下の表の通り、世界では樹脂サッシが標準といってもよい状況です。

出典:樹脂サッシ工業会『世界の樹脂サッシ普及率

日本は南北に長く、高温多湿の地域もあれば、厳しい寒さになる豪雪地帯もあります。式を通して寒暖差が激しいこともあり、樹脂サッシを普及させて高気密・高断熱な住宅を目指すことが求められます。

樹脂サッシの普及が遅れている理由

日本では時代の流れとともにアルミサッシが急拡大したこともあり、「サッシ=アルミ」というイメージが根付いています。

実際に樹脂サッシの製造・販売が開始されたのは1975年であり、すでにアルミサッシが主流となった後だったため、普及率の差として表れているといえます。また、アルミサッシに比べて樹脂サッシの価格が高いことも拡大しない要因といえるでしょう。

まとめ

今回は日本のサッシの歴史について解説しました。

2022年3月版『住宅用建材使用状況調査』によると、戸建てのアルミサッシの採用率は全国で75%、樹脂サッシの採用率は25.9%となっています。

アルミサッシは軽量で加工しやすく安価であることから高いシェア率となっていますが、熱伝導率が高いので高気密・高断熱住宅を目指すならアルミ樹脂複合サッシや樹脂サッシがおすすめです。

ぜひ今回の記事を参考に、最適なリフォーム方法を検討してみてください。

この記事の担当者(執筆/監修)
安部圭一

株式会社スマイクリエイト代表取締役/1972年5月 福岡県生まれ
・賃貸不動産経営管理士<登録番号(1)057435>
・三協アルミ(一新助家)加盟店

20代の頃は、水道メンテナンス業務を約6年経験、2003年(31歳)に老舗サッシ屋に入社。ガラス・サッシ・ドアの修理リフォーム業務に従事。その間、アパート2棟を新築、建築から修理まで住宅について様々な体験を通じ知識の習得、キャリアを積んでいく。

2019年5月にネット集客に特化したサッシ・ガラス屋ビジネスを創業。ネット集客ができる強みを生かし、集客から施工まで一貫して自社完結できるビジネスを成立させる。この事により、お客様へ、お得な料金、安心した修理リフォームサービスを提供できる仕組みを構築した。

より一層の顧客満足・従業員満足・社会貢献を目指し、トライ&エラーの毎日を奮闘中。

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