近年、リモートワークが増えたこともあり、自宅の騒音対策を強化したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
実際に生活騒音はご近所トラブルの原因1位にもなっており、多くの方が「騒音」に悩んでいることがわかります。そのため、「入ってくる音」だけでなく「出す音」にも配慮した生活が求められており、騒音対策の一つとして防音ガラスを採用する方法があります。
そこで今回は、防音ガラスの仕組みや効果、種類などを解説します。
太宰府市のガラス屋です。防音ガラスやペアガラス等ガラスに関する事は何でもお任せ下さい。見積もり無料です!専用ページはこちらから。
防音ガラスの仕組みと効果
防音ガラスとは、2枚のガラスの間に特殊な防音フィルムを圧着させているのが特徴です。
そもそも音は、物体が振動して生じた波が空気を伝って耳に届くことで、音として聞こえるようになります。
特殊な防音フィルムは物体の振動を熱に置き換えて、音の波を消滅させる効果があり、結果的に音が聞こえにくい、伝わりにくいという効果を発揮します。
一般的な複層ガラスと防音ガラスの効果を比較した結果は以下の通りです。
- 一般的な複層ガラス:室外80dB→室内40dB
- 防音ガラス:室外80dB→室内34dB
騒音レベル | 30dB(A) | 40dB(A) | 50dB(A) | 60dB(A) | 70dB(A) | 80dB(A) | 90dB(A) |
想定される環境 | 郊外の深夜 | 静かな公園 | 静かな事務所 | デパートの中 | 街頭の騒音 | 街頭の騒音・交差点 | 新幹線・飛行機周辺 |
※dBとは音圧レベルの単位
防音ガラスかどうかによって6dBほどの差が生じるとわかります。屋外が80dB程度の環境において、複層ガラスでは静かな公園ほどの環境になるのに対し、防音ガラスでは郊外の深夜ほど静かな環境を実現できます。
防音ガラスの種類

ひとえに防音ガラスといってもさまざまな種類があり、リフォームでは防音対策としてサッシの交換も行うケースがあります。
そこで、防音対策として取り入れられる窓ガラスやサッシの種類について解説します。
合わせガラスタイプ
防音対策として最も一般的なのは、先ほど解説した通り、2枚のガラスの間に特殊な中間膜を挟み込んだ合わせガラスを設置するケースでしょう。
ただ、一般的な防音ガラスの中にも目隠しできるタイプや紫外線対策ができるものなどがあるので、防音対策以外にどのような効果を求めるか考えておくのがおすすめです。
代表的なメーカーの商品としては、AGC株式会社の「ラミシャット」や日本板硝子株式会社の「ソノグラス」などが挙げられます。
ペアガラスタイプ
より高機能な窓を求めるなら、防音効果をプラスしたペアガラス(複層ガラス)もあります。
AGC株式会社の「マイミュート」などが代表的な製品です。
一般的なペアガラスは中空層によって共鳴現象が発生するので、低音域の遮音性能が低いですが、マイミュートなら中空層にレゾネーターという防音装置があるので、高い防音効果を発揮します。
さらに、ペアガラスの中間層の働きにより、一般的な窓ガラスと比較して高い断熱・遮熱効果も期待できるので、冷暖房効率を向上させて光熱費削減できたり、快適な温度環境を維持しやすくなったりします。
ペアガラスタイプの製品は、防音効果はもちろん、断熱性や遮音性を高め、快適な室内環境を目指したい方におすすめです。
二重サッシ(内窓)タイプ
既存の窓の内側に、二重サッシ(内窓)を取り付けるのも防音対策としておすすめです。内窓に防音ガラスを採用すると、さらに高い防音効果を得られるでしょう。
防音対策を行ううえで、サッシの気密性は非常に重要なポイントとなります。というのも、既存のサッシが古くて性能がよくない、老朽化して隙間が生じているといった状態だと、防ガラスを交換しても隙間ができたままになるので十分な防音効果が得られません。
そこで、窓ガラスとサッシの両方の遮音性能を上げられる内窓リフォームが効果的です。とくに築年数が経っていてサッシが歪んでいたり、戸車やパッキンや劣化していたりする場合は、二重サッシを検討するのがおすすめです。
防音ガラスにリフォームする前に知っておくべき注意点

防音ガラスにリフォームすることで、入ってくる音を遮断して静かな室内空間を実現しやすくなることに加え、家の中で発生する音を外に伝わりにくくできます。
しかし、リフォームしたとしても、必ずしも騒音問題を解決できるわけではありません。
ここでは、「せっかく費用をかけたのに、期待するほど防音効果が得られなかった」と後悔しないためにも、注意点を解説します。
サッシの性能も重要
「今ある窓を防音ガラスにすれば、騒音問題ともおさらばできる!」と考えている方も多いかもしれませんが、ガラスを交換するだけで騒音を完全に防げるわけではありません。
音は窓ガラスだけでなくサッシからも侵入するため、遮音性能を向上させるためには窓ガラスとサッシの両方に対して防音効果を行う必要があります。
数十年前のサッシのままだと、気密性が低く騒音が侵入しやすい可能性があるため、サッシもリフォームするか検討しましょう。
内窓を取り付ける方法が効果的
防音ガラスとサッシの両方をリフォームするなら、既存の窓はそのままにして内窓を取り付けるのが効果的です。
既存のサッシとの間に空気の層ができて騒音を和らげられることに加え、気密性のある内窓のサッシと防音ガラスによって音の侵入を防げます。
しかし、内窓にすると窓を開閉するときに2回も窓を開け閉めしなければならない、住宅によっては内窓を取り付けるのがむずかしいといった注意点があります。
必ずしも内窓を取り付けるのが正解ではなく、既存のサッシと窓を防音効果のある物にリフォームするのも選択肢の一つなので、何を優先したいかによってリフォーム方法を検討するようにしましょう。
まとめ
今回は防音ガラスの仕組みや効果、種類などを解説しました。
騒音問題は多くの家庭が直面している問題であり、防音ガラスにリフォームすることで快適な住環境を目指せます。しかし、窓ガラスだけでなくサッシからも音が侵入してくるので、サッシのリフォームが必要かどうかも検討しましょう。
日々の騒音に悩んでいる方は、ぜひ今回の記事を参考に最適なリフォーム方法を検討してみてください。