ルーバー窓が廃止の向かって進んでいるというお話しです。
実は以前から、ルーバー窓については、メリットよりもデメリットの方がフューチャーされその対策として窓の交換や、代替アイテムが紹介される機会も多く見受けられました。
ルーバー窓の代表的なデメリット(短所)は別記事でご説明しました。「ルーバー窓のリフォームをお考えの方!窓の種類や費用を解説。」宜しければこちらもご覧ください。
ルーバー窓が廃止、縮小される背景にはZEH(ゼッチ)というキーワードが深く関係しており、その核心は断熱性能だと言われています。
結構オシャレで気に入っているのに何故なくなるの?いつなくのるの?気になる所ですね。
既に取付けられているルーバー窓が壊れた時にはどうすれば良いのか?この様な点についても詳しく説明していますのでご興味のある方は是非ご一読下さい。
よろしいでしょうか?
それでは参りましょう。
何故、ルーバー窓は廃止の方向なのか?
そのオシャレで個性的なフォルムは他の窓には無かった発想で一時期はトイレや脱衣所、浴室など様々な所に設置されて来たルーバー窓。省スペースで換気が出来る機能性も兼ね備えられていた為、非常に活躍の場がありました。
時代ごとにニーズがある様に、当時のニーズに適していたルーバー窓ですが、現在から未来にかけてはルーバー窓のニーズは縮小していく流れとなっています。その一番の要因は断熱性能です。ルーバー窓はガラスとガラスが重なり合う様に密着する事で、室内からの外気を遮断しています。一般的な窓であれば、閉じて密着する部分には気密ゴムなど、より気密性を高め 室内の断熱に影響しない様に設計されていますが、ルーバー窓にはこの気密性という部分が欠けています。
ガラスとガラスが重なり合っているだけなので気密性は低く、その結果、室内の断熱性にも影響を及ぶとされているのです。
今から未来にかけては住宅の断熱性が問われる時代に移って行きます。
カーボンニュートラル、脱炭素社会を目指す為には住宅を高断熱仕様にする取組はマストでありその為に、国は補助金など施策を講じて推進の後押しをしています。その流れの中で断熱性能に難ありと認知されているルーバー窓が廃止の方向に進んでいるのはある意味自然の流れかもしれません。
新築住宅のZEH基準にルーバー窓は不適合?
ルーバー窓が廃止の方向に進んでいるからと言って何も今現在取付けられている既存住宅のルーバー窓を取替えなければいけないと言う話しではありません。
まずは、新築住宅を建築する上でルーバー窓が取付けられる機会が無くなっていっていると言う事実があります。経済産業省ではZEH(ゼッチ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)のロードマップとして「2020年までにハウスメーカー等が新築する注文戸建住宅の半数以上でZEHの実現を目指す。」と目標を掲げ、結果約56%がZEH住宅となった事を発表しています。(詳しくは「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に関する情報公開について」をご確認下さい。)
ZEHについては次の項目で詳しく説明しますが、この政策は何を示しているかと言うと、今後新しく建てる住宅をZEH仕様にしていく事で、電気やガスなどのエネルギー消費を減らしカーボンニュートラルを実現して行こうという取組です。自宅で消費するエネルギーは自宅で創り消費する。その為には断熱性能の高い窓の基準も設けられておりルーバー窓は不適合だと言われています。
ZEH(ゼッチ)とは?
そもそも、ZEHとは何か?について説明しておきますね。ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、太陽光発電などで自宅で使用するエネルギー(空調・給湯・照明・換気)を創り出し、年間のエネルギー消費量をゼロ以下にする住宅を指します。
ZEHには3つの要素で、それぞれクリアするべき基準が設けられています。
1.断熱性能
断熱性能はUA値でその基準があり、ZEH住宅ではUA値0.4~0.6[W/㎡K]以下にしなければなりません。UA値は窓や屋根、外壁など外の空気と触れている素材の1㎡あたり、どれくらいの熱が逃げるかによって、その値を算出します。この基準をクリアーする為にルーバー窓は不向きだと言う事ですね。
2.省エネ性能
省エネ機能とは、冷暖房・照明・給湯・換気の4つに関してZEH基準を満たしていなければなりません。
3.創エネ
主に太陽光発電をメインとし家庭用燃料電池や蓄電池も組み合わせエネルギーを発電し備蓄するサイクルを住宅で創り出します。断熱性能や省エネで電力の消費量を抑えた上で、創エネで生み出したエネルギーを生活に充てる事で、消費電力よりも創エネルギーが大きな住宅環境を構築します。
既存のルーバー窓は修理できるのか?
世の中の流れがZEH、断熱性能の高い住宅に流れている事はご理解頂けたましたでしょうか?ZEH住宅には補助金も出ますし、ルーバー窓を断熱性の高い窓に交換する場合も、時期や条件により補助金の対象となる事もあります。
しかし、中には「いやいや、このルーバー窓気に入っているし、メンテナンスしながら長く使いたいよ!」ルーバー窓が廃止されるなら修理も出来なくなるの?と感じられる方もいらっしゃると思います。ご安心下さい。現時点ではそんな事はありません。
ガラスが割れればガラス交換もできます。
ルーバー窓のオペレーターハンドルが壊れた場合も取替可能です。
ただ、そもそもガラス以外の部品にはメーカーの保有期間が決まっています。そのため生産が終了した商品の部品は10年もすれば供給されなくなる可能性は出て来ます。特にルーバー窓だからと言う訳ではなく電化製品なども含めて多くの商品は、10年~20年を経過すれば修理は困難になるでしょう。
時代は断熱性能の高い窓へと移行しています。古くなったルーバー窓が壊れてしまったら取替える検討をされるのも良いタイミングかもしれませんね。
まとめ
今回はルーバー窓をZEHと絡めた説明をしましたが、そもそもルーバー窓だけでなく、サッシ自体がZEH基準を満たさなくなって来ています。樹脂サッシやアルミ複合サッシなどさらに断熱効果が高い商品でないと基準をクリアできない、ガラスはペアガラス以上の性能を有さないとダメなど。基準の見直しや改正も考えられますので、都度、最新の情報をご確認下さいね。
※こちらの記事は2022年6月5日時点の情報を元に執筆しました。