「古いタイプのガラスが割れてしまった」というお問合せを頂きました。戸建て住宅のリビング部分のガラスと言う事です。外に面している窓ので出来るだけ早急にガラス交換を行って欲しいと仰っていますが、お客様には2点疑問(不安)に思われている事があるそうで、
1.窓が上部と下部の2つに分かれているサッシで、割れた下のガラスだけ交換可能なのか?
2.古いガラスなので今と同じ様なガラスに取替えてもらえる事は可能なのか?
と言う事です。
本日はこの2つの疑問(不安)も解決しながら実際の施工写真もご確認頂ければと思います。
窓サッシの下だけガラス交換できるのか?
窓サッシの下のガラスだけ交換可能なのか?答えは「可能です。」上の写真は実際の現場のものですが、上と下に分かれている窓サッシとはつまり中桟(なかざん)仕様の窓の事です。一般的に使用されている事が多い窓で、リビング用の たたみ一畳ほどの窓(テラス窓)では、中桟あり、中桟なし、両方の窓サッシが使用されています。
補足として、最近の新築では、中桟なしの窓がポピュラーとなっており、中桟仕様のテラス窓を見かける事はほとんどありません。
中桟ありのガラス交換方法
中桟ありのガラス交換方法と、中桟なしのガラス交換方法は少々異なります。中桟が無い場合は作業台に寝かせてL字にサッシ枠を分解していくのですが、今回の様な中桟があるサッシは、横に寝かせた状態で下框のビスを少し緩め、その逆側の縦框を外します。
横に寝かせている写真です。
割れたガラスを抜き取りました。上の写真の青四角部分(側面)に、下框と縦框の固定ネジが取付けられていますので少し緩めます。この部分を緩めておくと、下框が外側に開くので、新しいガラスを入れる時に楽に入れる事ができます。
緩めた部分と逆側の縦框(写真上側、外れかかっている部分)を完全に外して新しいガラスを入れ込みます。
新しいガラスはすぐに用意できるのか?
写真は、作業台の上でガラスをカットしている模様です。新しく入れ込むガラスは適寸を切り出し、ガラスの回りにグレチャンというゴムを巻きサッシに取付けます。ガラス屋さんによっては一旦持ち帰り工場でガラスをカットする会社もあれば、当社の様に作業車にガラスの在庫と作業台を搭載しており現場で作業を行うガラス屋もいます。一般的に使用される住宅用のガラスはある程度種類をストックしていますので、緊急で取替を希望されるお客様からは大変好評です。
ガラス交換完了
新しいガラスを入れて元通りに建付け作業完了です。窓サッシを左右に移動させたりクレセント錠のかかりに問題がないかチェックします。お客様にも触って頂き使用感に違和感がないか確認して頂きます。問題無ければ作業完了となります。
古いガラスを前と同じ様なガラスにする事は可能か?
今回取替をさせて頂いたのは、約30年以上以前のガラスで、デザインガラスでした。実は昭和の時代にはこの様な模様の施されたデザインガラスが流行していました。丸や四角や三角、星や波打ちなど多様なデザインがガラスに施されていましたが、これらの殆どは廃盤になっておりガラスメーカーが製造してないのが現状です。そのため今回の様な曲線があしらわれているガラスも同じ商品に交換する事ができません。
昔のガラスは現在の主要ガラスに変更する
昔ながらのガラスは供給されていないので、現時点で流通している主要なガラスへ取替える必要があります。基本的にガラスの厚みさえ同一であれば施工的には問題はありません。型板ガラス(向こうが見えない半透明のガラス)の部分に透明ガラスを入れてしまっては、違和感があり、プライバシーの問題など生活にも支障をきたす恐れがあります。その様な点に配慮して新しく取り付けるガラスをお客様に提案します。
とはいえ、取替用の板ガラスは種類も限定されており、透明・型板・すり・網入りと、大きくは4種類の中からしか選択する事ができません。例外的に、輸入ガラスや二次メーカーのガラスは存在しますが特注品となり価格も高額となっている様です。
まとめ
本日は、窓サッシが上下に分かれている一方のガラスのみが割れてしまった時、一方だけの交換はできるのかについて説明しました。上下の隔て部分が、中桟(なかざん)と呼ぶ事の説明。現在の新築住宅は、中桟なしがポピュラーである事の説明を行いガラス交換方法も合わせてご確認頂きました。
ガラス交換に際して理解を深めて頂ければ幸いです。