サッシが重くて動かない。。この様なお困りのお客様からお問合せを頂き現場の状況を確認する現調に伺いました。
サッシが重くて動かなくなる原因の多くは戸車と言われるサッシの下に取り付けられているレールを滑る部材の劣化により起こります。従って、サッシの動きが悪い、動かないと言われる症状でご依頼が入った時には、まず戸車の不具合を疑うので、サッシを外して戸車の状態を確認する所から現調をスタートします。
こちらのお客様でもこの手順通りにサッシを取り外そうかとサッシの手をかけましたが、様子がおかしいのに直ぐに気づきました。
よくよくサッシの上部レール部分を確認すると、通常は少し隙間があるはずのレール部分に殆ど隙間がありません。当然この状態ではサッシを取り外す事も出来ません。戸車の劣化と言うよりもそもそも、住宅の開口部分(窓)の梁の部分が撓んでいる事が原因のサッシ開閉不具合と診断。解決に向けて、お客様や社内でも協議し最善策を提案する事にしました。
本日は、こちらの現場の施工実績をベースに記事を制作しました。サッシ修理にご興味のある方はご一読頂ければと思います。
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サッシの動きが悪い時は、サッシ切断、加工で、窓交換不要!
前述した様にサッシの動きが悪い時は、基本 戸車交換を行う事で修理出来る事の方が多いです。しかし、戸建て住宅で窓の開口部分が広い場合、今回の様に窓部分の梁が撓んでしまい引違い窓の開閉に影響を与える事も珍しくありません。
下の写真は今回の現場写真です。
1枚の窓の横幅が1300mm(130センチ)程ありますので2枚建て引き違い窓としてはかなり広い開口です。一般的には1枚700mm~800mmのサイズが多いです。
この様な開口が広い住宅で梁の撓みによりサッシの開閉が困難になった場合、サッシ屋に修理を依頼すると窓交換を勧められます。
窓のカバー工事を行えば窓も綺麗になり動きも良くなります。工事代金は20~30万円しますのでサッシ屋も儲かります。そう、何よりサッシ屋はサッシ修理ではなくサッシを販売する事が大きな目的なので修理よりもサッシ(窓)を販売したいのです。
一方、こちらのお客様もそうでしたが、出来ればサッシ窓を交換する事なく修理で動きを良くしたい。この様なご要望が多いのも事実。
当社では窓交換はもちろん、お客様のニーズに沿った、窓の加工修理も行いますので、お客様のご希望を会社で協議し(窓加工による不具合が発生しないか等)今回はサッシ切断・加工修理を行う事でご依頼をお請けする事になりました。
サッシの切断、加工修理の作業内容
まずは現状の状況を写真で確認下さい。
窓サッシの上のレール部分の写真です。窓が窓枠に干渉しているのが確認出来ると思います。この状況では窓を開閉する時に窓枠を擦ってしまい、重いし、これ以上は動きません。
別角度から先程よりもアップでの写真です。
さて、これを今から修理するのですが、どのようにサッシを切断・加工すると思いますか?そもそもサッシをサッシ枠から外す事も出来ません。
サッシを外す為には、サッシを少し上に持ち上げて浮かします。サッシが浮くと、下のレールからサッシ本体を手前に引きながら抜く事が出来ますのでサッシが外れる構造です。
この作業が出来ないのです。
サッシをサッシ枠内で分解してサッシを取り出す
梁の部分が撓んでサッシをサッシ枠から取り出す事が出来ない場合は2つの方法で、サッシを枠から抜き出す方法があります。
1つ目はジャッキアップです。
車のジャッキを使用します。そのジャッキに木を当てて梁の部分を押し上げサッシ窓とサッシ枠に隙間を作りサッシを取り出す方法です。
2つ目はサッシ窓を分解してサッシを取り出す方法です。
今回はこちらの方法を採用しました。
サッシに取り付けられているネジを外して、まずは横枠、上枠を外します。上枠が外れれば、隙間が出来るのでガラスを落として割らない様に注意しながら窓サッシを取り出す事が出来ます。2枚のサッシを取り出しました。
下のレール部分にゴミや埃が溜っていたのでその部分も綺麗に掃除をします。
この間、別のスタッフがサッシの切断加工を行っていましたが、二人同時に作業を行ない、あいにく切断加工している写真が撮れていませんでした。。
サッシの切断加工もポイントがありますので解説します。
まずは切り欠けと言われる横框と縦框を合わせる部分の段差を考慮して、その形通りにカットして行く必要があります。今回のサッシ切断加工はサッシの高さを短くする作業となりますので、現状のサッシの形をそのまま再現し、事前に確認したサイズ分をカットし適寸の高さに調整する作業となります。サッシを短くするので勿論ガラスも少しカットしなければなりません。
素人の方がDIYで行う作業としては難易度が高いのでサッシを修理出来る業者に相談される事をお勧めします。サッシの販売が目的のサッシ屋はやらない仕事なので、サッシ修理が出来るサッシ屋に相談して下さいね。
サッシ切断・加工で窓がスイスイ動く様になりました
無事に切断加工も終わり、サッシを建て付けました。
窓サッシとサッシ枠の隙間を確認して見ましょう。
サッシとサッシ枠の隙間が最大8mm出来ています。サッシ枠の中心部分が一番撓みが酷いので競っている状態です。ただあまりそこだけに注視するとサッシの端との撓みの差がありレールに掛からなくなります。そのあたりのバランスを考え施工した結果がこの程度の隙間という事です。
窓も動きも軽くなり、スイスイ動くようになりました。ちなみに戸車は全く問題なかったのでそのまま継続で使用しています。
まとめ
本日はサッシの動きが重く困っておりお客様邸でのサッシ切断加工の施工実績を記事にしました。サッシがなにかつっかかってる感じがしているのでしたら梁が落ちているかもしれませんね。ちなみにこの症状は木造住宅で起こる事が殆どです。マンション等の鉄骨造の建物では基本考えられないのでマンションで起こる窓が重い症状はほぼ戸車が原因です。参考までに。