築年数が経過した住宅では窓の開口部分の躯体の梁(はり:住宅骨組みの横に走っている木材)が少し落ちてきて窓のサッシ枠もその影響が下がりサッシ窓と干渉するとご相談を頂く事が時折あります。
要はサッシ窓の上枠が落ちている事が原因の不具合なのですが、梁の部分を上げる工事を行えば勿論高額な工事となりますしあまり現実的ではないです。この様な状況不具合ではサッシ屋に相談する事になりますがサッシ屋に相談した場合、基本的にサッシの交換を進められるのが一般的です。
当社でも順当に考えればサッシの交換をご提案しますが、中には”サッシ修理”で予算をあまりかけずに解決したいとお考えの方もいらっしゃいます。その様な時、当社ではサッシの加工を行い低価格でサッシ修理を行う工事も対応しております。
本日は行橋市で行ったサッシ加工修理を参考にサッシの上枠が落ちてきた為に起こる不具合の修理方法について記事にしました。
サッシの上枠とサッシ窓が干渉する不具合

サッシの枠とサッシ窓が干渉する原因は前述した様に、梁が1~3センチ程度下に落ちる事により発生する事が一番多いと体験しています。梁が落ちてる住宅の多くは窓の開口が広い事が特徴です。
サッシ窓(障子:しょうじ と言いいます)が2枚建て(障子2枚)の場合は開口部分が180センチ程度なので梁が落ちる事はあまりないですが、4枚建て(障子4枚)の場合は開口部分が360センチになる事もあり、どうしても中心部分に重力がかかり少し落ちてしまいます。
例えば4枚建て障子の場合左右の端に障子を持って行く時はスイスイ動きますが、中央部分に障子を移動すると上枠と干渉してサッシが引っ掛かった感じになり動かなくなります。そうなると窓のカギであるクレセント錠を掛ける事も困難となり防犯上も良くない状況となります。
簡易的な修理方法として、サッシ下の戸車調整で戸車を下げて(引っ込めて)あげれば直る事もあります。
サッシを加工して行う修理方法

梁が落ちてサッシと干渉する場合サッシ屋は窓の交換工事を提案します。一番確実でセオリーとして正しい修理方法だからです。
ただ、お客様の中には
・実家で親が一人暮らし。いつ施設に入るか分からない。
・築40年の建物なので建て壊して新しく住宅を建築する予定にしている。
・サッシ交換を行う予算がないが、防犯上どうにか修理をしたい。
など、様々な理由があります。出来るだけお客様のご意向に寄り添いたい当社としましてはどうにかサッシ修理で解決できないか。。とおっしゃるお客様には、サッシの加工を行いサッシ交換を行うよりも安価に問題を解決する方法でご対応する事があります。
詳しいない様な方法は続きをご覧下さい。
サッシ修理の手順
障子とサッシ枠が干渉する症状は、つまりサッシ枠に対して障子のサイズが大きい訳です。元々はジャストフィットしていた障子とサッシ枠も梁が落ちる事でそのバランスが崩れている状態。
どうすれば解決出来るのか、障子(窓サッシ)を短くしてあげればサッシ枠と干渉する事はありません。ただし注意点としまして、何も考えずに短くすると左右の端の方では逆に掛りが少なくなり不具合を起こす事にもなりかねません。その辺りを考慮して小さくするサイズを慎重に計算します。
1.障子をサッシ枠から外します。サッシ枠が落ちているので簡単に外れない場合はサッシ枠をジャッキアップして数ミリ~数センチ上げると無理をせずに障子を外す事が出来ます。ジャッキアップ出来ない場合は障子をサッシ枠内でバラして取り除く事もありますが、ちょっと難易度はあがる作業です。
2.予め計算したサイズにサッシの縦をカットします。サッシの上下左右にネジが取付けられていますので、それを外すと障子とガラスがバラバラに分解されます。その状況でまずは障子のカットを行います。

赤の部分がカットする所です。5mmカットするのであれば現在の縦框(たてかまち)を左右5mmカットして横框(よこかまち)との接続の為のネジ穴を開けます。
3.ガラスも同様に5mmカットします。障子の枠(框)は縦の部分だけ、ガラスも框でカットしたサイズの寸法のみ高さだけカットすればOKです。
4.ガラスと障子を組立もとに戻せば意図したサイズに小さくした障子が出来上がります。特にジャッキアップなどせずに取付けられるはずです。
サッシ交換とサッシ修理の料金を比較検討
通常の窓サッシ交換であれば20万~30万円程度が相場です。
今回紹介したサッシの加工作業は10万円以内に納まりますので半分以下の費用でサッシの不具合を解決できる様になります。
一時的に修理をご希望の方であればサッシの加工修理もお勧めですが、長く住んでいくのであればやはりサッシ交換を行う方が良いかもしれませんね。
まとめ
本日はサッシの不具合修理方法として「梁が落ちている為にサッシ枠と障子が干渉する修理方法について」サッシ交換をせずに行う工法の説明をいたしました。何かの参考になれば幸いです。