内窓は二重窓や二重サッシともいわれる窓の性能をアップするアイテムです。
現在、2025年時点では「先進的窓リノベ事業」が国の政策として進められていて補助金を活用した取り付けをおこなう事ができますが、仮に補助金制度が終了してしまっても既存住宅の断熱性・遮音性・結露軽減などには内窓が有効であることには変わりありません。
今回は、福岡市城南区でおこなった内窓取付の施工事例を基に、あなた自身がDIYで内窓取付をスムーズにおこなえる知識をお伝えする記事に仕上げました。
自分で内窓取付をおこないたい方は是非参考にされてください!
DIYで内窓を取り付けるメリット・デメリット
まず、業者に依頼することなくDIYで内窓の取付をおこなうメリットとデメリットについて予め確認しておきましょう。自分で取付を検討されている方も、メリット、デメリットを知る事で気が変わるかもしれませんからね。
メリット
- コストがグッと下がる
- 部屋に他人を上げなくてもよい
- 自分のタイミングで内窓取付が可能
DIYで内窓取付を行うメリットは何といってもコスト的にかなりお安く内窓を自宅に取付けれることです。通常業者に依頼すると1窓の取付費用は10,000円~30,000円程度は必要になるでしょう。その他にも諸経費や出張費など必要になるかもしれません。DIYではこの様な費用負担が0円となり大変経済的です。
また、部屋が散らかっているや、防犯的な意味で他人を自宅に招き入れるのに抵抗のある方もいらっしゃいます。仮に自分はよくても奥さんやパートナーなどの反対がある場合でも自分で設置できれば問題解決ですね。
あとは、業者と日時を合わせなくてもよい点です。
内窓設置業者では、平日の8時~18時ごろまでしか工事対応していないところも多く、お休みが不定期な方や土日しか休みが取れないかたでも自分のタイミングで内窓を取り付け可能となります。
デメリット
- サイズなどを間違えて内窓を購入するかも
- 先進的窓リノベは活用できない
- 電動ドライバーなど工具が必要
デメリットに関しては、全て自己責任という点が最もリスキーではあります。寸法の間違え、発注ミスは大きな損失にもつながりますし、取り付け出来ると見込んでいても実は大きな加工が必要であったり、オプション部材を用意しなければならない事も日常茶飯事です。
この様なアクシデントにも対応しなければならないDIYはハードルが高いと言えます。
そして、現在の内窓設置において最もお得な「先進的窓リノベ」で補助金がもらえないのはかなり大きなデメリットです。2026年以降、この補助金がなくなっている場合はその限りではありませんが、現時点では補助金交付金は内窓工事の総額3~5割程度賄えます。
交付申請は登録事業者しかおこなえませんのでDIYでの設置は対象外になってしまいます。
あとは、工具類など必要な点です。日頃から電動ドライバー等を使われる方で、お持ちであればよいのですが一から揃えようとすると、それだけで何万円もの出費となってしまいます。
ふかし枠が必要なシーン
以下の画像で、中央部分にシルバーが「ふかし枠」と言われるオプション部品で、白っぽい物がふかし枠の化粧カバーになります。

ふかし枠は必ず必要なのか?
ふかし枠が必要なケースは、内窓の枠を取付けるスペースが確保できない時です。
内窓の枠を取付けるのに必要な寸法は約7センチです。メーカーや窓のタイプにより若干異なりますが7センチ程度の取付スペースを確保できなければ「ふかし枠」というオプション部材を用いて取付スペースを確保する必要があります。
逆に取付スペースさえ確保できれば「ふかし枠」は不要です。
ふかし枠の種類は?
例えばLIXIL製の内窓インプラスでは、20mm、40mm、50mm、70mmのふかし枠が用意されています。
さらにカーテンレールが取付られる仕様のものや、カーテンレール取り付け仕様もあります。もちろんカラーも内窓に合わせて選択できますので、色味の違和感はないでしょう。
内窓取付の手順
こちらのセクションでは内窓の取付手順について動画をスクショして説明したいと思います。下の方には手順の元となる動画を貼っていますので、よろしければ参考にご視聴ください。
新入社員の「ゆっぴーさん」とちょっとおふざけしながら解説していますm(__)m
段差緩和のスペーサーを取付ける

「ふかし枠」はそのまま壁に取付けできますが、現場の状況によっては、横の壁ラインと縦の壁ラインで段差が生じている事も珍しくありません。そんな時に役立つアイテムがスペーサーです。この部材は内窓インプラスの有償部材として販売もされており、厚みもいくつかのサイズがあります。
ふかし枠を取付ける際は、縦横の壁の段差がないか確認し、場合によっては段差の調整をおこないましょう。
ふかし枠を取付ける

フラットに ふかし枠が取付けられる下ごしらえが終われば、次は実際にふかし枠を取付ていきます。ふかし枠の取付では「角」に注意する必要があります。もともとインプラスの発注時にふかし枠のサイズは自動で決まっており、内窓の枠よりも短いはずです。それは、角を詰めずに少し隙間をあけて、「角用」の化粧カバーを取り付けやすくする為の設計だからです。
左右均一に角の隙間を確保して化粧カバーを取り付けやすく、ふかし枠を設置しましょう。
ふかし枠の化粧カバーを取付ける

上記の画像で取付けている部分がまさに化粧カバーの部分です。化粧カバーは縦、横のアルミ(ふかし枠)に被せていきますが、角の化粧カバーを予め縦と横のカバーに仮設置した上で同時に被せていった方が取付しやすいので”コツ”として押さえておきましょう。
樹脂サッシを取付ける

ふかし枠の取付が終われば次はいよいよ内窓の樹脂サッシ枠の取付です。樹脂サッシは左右、上下の順番で4方に取付けていきます。ポイントは左右から取付ける事です。右左でもどちらでも良いですが、横枠から取付けなければならないので注意しましょう。
ふかし枠は3方(下無し)もしくは4方ですが、内窓の枠は必ず4方です。
ネジで固定するだけですが、ズレない様に慎重に固定していきます。
障子の建付け

内窓の枠を取付終わると、次は窓(障子)を建て付けます。ペアガラスだと意外に重たいので腰をやらないように気を付けて下さいね。
外障子といってクレセント錠の受け側を先に奥側のレール上部に差し込み同じ位置の下枠レールに静かに置きましょう。
次は内障子と言ってクレセント錠のある障子を手前のレールに上から差し込み取付けます。
戸車の調整

上記画像の様に障子をレールに設置すると、次は戸車の調整です。障子側面のポッチを外すと戸車の高さ調整ができる調整ネジをプラスドライバーで回せます。時計回りに回すと戸車が高くなりますので一旦いっぱいに上げてから動きを確認し、クレセント錠のかかりや位置を確認していきましょう。
障子の固定ビスを回さないように注意してくださいね。
クレセント錠の調整

次は、クレセント錠の調整です。受け側は出入りを調整できます。クレセント錠本体は高さや奥行きを調整可能です。キツ過ぎず、緩すぎず適度な調整が必要です。気密性の確保のためには少しキツめの方がよいですが、このあたりは好みもありますので、イイ感じのところで調整ください。
外れ止めの固定

最後に外れ止めを定位置にセットします。この外れ止めは防犯のためにも有効なアイテムです。外れ止めが無いと窓ガラスに吸盤を取付けて内障子と外障子を同時に持ち上げ下れば窓全体が外れてしまいます。今回は内窓なので、侵入者がそこまでする可能性は低いですが、窓が簡単に外れない装置なのでしっかりセットしておくに越した事はないですね!
内窓取付完成

はい。綺麗に内窓取付できました。こちらのご住宅ではあと1部屋にも内窓を取り付け、カーテンレールもお客様支給の新品をお取り付けさせていただきました。
動画で内窓取付を確認してみる
内窓の取付手順について文章でご説明しましたが、画像の元ネタは下の動画のものをスクショして切り取ったものです。
動画ではいらん話しをしながら時には有益な情報もお伝えしていると思いますので宜しければ寛大な気持ちでご視聴ください。
まとめ
いかがでしたか?本日は、DIYで内窓取付を検討されている方向けにDIYで内窓を取付けるメリット、デメリットや工事の手順など説明いたしました。内窓の補助金はもうすぐ終了すると言われていますが、自分で作業ができれば、その分の経済的デメリットは補えれるのではないでしょうか。本誌を参考にチェレンジされてください!