準防火地域の玄関ドアについて、このような悩みや疑問はありませんか?
「準防火地域では防火戸を選ぶ必要があるの?」
「防火戸の玄関ドアの費用はどのくらい?」
「自分の家が準防火地域か見分ける方法はある?」
本記事では、準防火地域における玄関ドアに防火戸を選ぶべきなのか、本体価格や設置費用はどのくらいなのか、について詳しく解説します。
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準防火地域の玄関ドアは防火戸を選ぶ必要がある?

ここでは、準防火地域における玄関ドアの選び方について詳しく解説します。
①そもそも防火地域・準防火地域とは?
防火地域・準防火地域とは、都市計画法において「市街地における火災の危険を防除するため定める地域」として指定されるエリアのことを指します。
一般的には駅周辺や幹線道路沿いが防火地域・準防火地域に定められていることが多いです。
というのも、駅周辺の建物が密集している地域は延焼の危険性が高く、幹線道路沿いは消防車などの通行が妨げられないようにする必要があるからです。
また、防火地域は駅のごく周辺や主要な幹線道路沿いの中心部が指定されることが多く、準防火地域は防火地域の周囲を囲むように指定されます。
(参照:e-GOV法令検索「都市計画法」)
②防火戸(防火扉)とは?
防火戸とは、ドアを閉めている状態であれば火災が発生したときに火炎を遮ることのできる扉のことを指します。
建築基準法では、防火戸について以下のように定められています。
外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に、防火戸その他の政令で定める防火設備(その構造が遮炎性能(通常の火災時における火炎を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能をいう。第二十七条第一項において同じ。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものに限る。)を有すること。(引用:e-GOV法令検索「建築基準法」)
また、防火戸は、国土交通大臣が定めた構造方法を用いる「告示仕様」と、国土交通大臣の認定を受けた「大臣認定仕様」の2種類がありますので選ぶときに確認する必要があります。
③準防火地域では玄関ドアに防火戸を選ぶ必要がある
準防火地域の玄関ドアは防火戸でなくてはならないと「建築基準法」などによって定められています。
そのため、新築で住宅を建設するときに防火戸を選ぶ必要があることはもちろん、リフォームや交換のときにも同様に防火戸を選ぶことが義務付けられているのです。
④準防火地域の玄関ドアに非防火戸を選ぶとどうなる?
準防火地域の玄関ドアに防火戸を設置しない場合、建築基準法に違反した違法建造物に該当する恐れがあります。
そのため、建築主や設計者、工事監理者、施工業者などは行政処分や罰則の対象になる可能性があります。
また、防火戸を設置しないことで火炎の延焼が生じてしまうと、想像つかないほどの甚大な被害になる恐れもありますので、準防火地域においては確実に防火戸を設置するようにしましょう。
防火戸の玄関ドアの特徴

防火戸の玄関ドアの特徴は以下の通りです。
- Low-E網入複層ガラス
- 加熱発泡材
- 難燃性気密材
- ガラス脱落防止構造
それぞれの特徴について、詳しく解説します。
①Low-E網入複層ガラス
Low-E網入複層ガラスは、Low-E膜と呼ばれる特殊な金属コーティングを施した複層ガラスである「Low-E複層ガラス」のガラス部分に延焼を抑える役割のある網入りガラスが使用されたガラスです。
合わせガラスほどの効果はないものの、割れたときにガラスが飛散するのを抑える機能もあります。
②加熱発泡材
加熱発泡剤とは、加熱するとガスを発生して発泡を起こす素材です。
火災時に発泡することで延焼を防ぐ効果があります。
③難燃性気密材
防火戸の玄関ドアには、見えにくい素材である「難燃性気密材」が使用されています。
④ガラス脱落防止構造
防火戸の玄関ドアには、火災でガラスが割れることによる二次被害を防ぐために「ガラス脱落防止構造」が施されています。
準防火地域に防火戸の玄関ドアを設置する費用

準防火地域に防火戸の玄関ドアを設置する時の費用について詳しく解説します。
①防火戸の玄関ドアの価格相場
防火戸の玄関ドアの価格相場は、20万円〜50万円ほどです。
アパートやマンションに使用される片開きの防火戸の玄関ドアであれば10万円〜30万円ほどの製品も多いですが、戸建てに設置するような両開きの防火戸の玄関ドアの場合は50万円〜100万円ほどする場合もあります。
②防火戸の玄関ドアの交換(リフォーム)費用相場
防火戸の玄関ドアの交換費用相場は、50万円〜70万円ほどです。
防火戸の玄関ドアと一般的な玄関ドアの交換にかかる作業料・工賃はほとんど変わらないため、玄関ドアの本体価格がそのままプラスされる形になります。
③防火戸の玄関ドアの費用が高い理由
防火戸の玄関ドアには、国土交通省が定める厳しい基準を満たすため、先ほども紹介した防火性能の高い素材が使用されているため、一般的な玄関ドアよりも高額になります。
準防火地域の玄関ドアに関するよくある質問

準防火地域の玄関ドアに関するよくある質問をQ&A形式で紹介します。
Q1.延焼ラインは3mですか?
延焼ラインとは、建築基準法では”延焼のおそれのある部分”という言葉が使われており、火災が発生した場合において隣地や道路に延焼する可能性のある範囲を示す基準です。
延焼ラインは1階と2階でも異なり、1階は3m、2階は5mと定められており、延焼ラインに接している部分はすべて防火設備・防火構造にする必要があります。
ただし、準防火地域に指定される住宅街などでは3mの基準外になることはかなり限定的です。
Q2.準防火地域か見分ける方法はありますか?
ご自宅が準防火地域かどうかを確認する方法は、お住まいの地域の自治体の役場にある「都市計画課」や「建築指導課の都市計画図」から確認することができます。
また、ご自宅の窓に防火設備である「網入りガラス」が使用されている場合は、防火地域・準防火地域に指定されていることも多いです。
Q3.準防火地域に木製の玄関ドアは設置できますか?
木製の玄関ドアであっても、国土交通大臣認定の防火設備品として認定を受けている製品であれば防火戸として準防火地域に設置することができます。
ただし、国土交通大臣認定の防火設備品として認定されている木製の玄関ドアは非常に限られているため、選択肢が少ないことを理解しておきましょう。
まとめ
本記事では、準防火地域における玄関ドアに防火戸を選ぶべきなのか、本体価格や設置費用はどのくらいなのか、について詳しく解説しました。
準防火地域では延焼を防ぐために防火戸の玄関ドアの設置が義務付けられていますので、玄関ドアを交換・リフォームする場合は防火地域・準防火地域に該当しているかどうかを確認してから種類を選ぶようにするといいでしょう。
業者に依頼する場合、業者が防火地域・準防火地域に該当するかどうかを確認してくれますが、念のためご自身でも確認しておくと安心です。
ぜひ本記事を参考にして、準防火地域で正しく玄関ドアを選んでみてください。