鍵が鍵穴に入るのに回らないという現象は、誰も経験する可能性のあるトラブルです。
鍵穴や鍵自体の摩耗や汚れなどが原因となっている場合が多く、適切に対処することで改善できる可能性があります。
そこで今回は、鍵が回らない原因を解説し、応急処置として効果的な対策方法についてもご紹介します。
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鍵は入るけど回らない原因

鍵のトラブルが発生したときは、いきなり対処法を色々試すのではなく、まず原因を探ることが大切です。
ここでは、考えられる原因をいくつか解説します。
ストライクがずれている
ドア枠に取り付けられたストライクがずれていることが原因の一つとして考えられます。
ストライクとは、鍵がかかる際にデッドボルトやラッチが差し込まれる金属部分のことです。
ストライクがドアの歪みや経年劣化によって位置がずれてしまうと、鍵を差しても回らなくなります。
合鍵が合わなくなっている
合鍵を使用している場合、精度が悪いことが原因として考えられます。
鍵は精密機器であり、ほんの少しのズレや傷で回らなくなります。
最初は使えていたとしても、何度も使っているうちにオリジナルの鍵と微妙な違いが生じ、回らないというトラブルが発生することが少なくありません。
鍵穴が汚れている
鍵穴が汚れていることも原因の一つとして考えられます。
埃やゴミが蓄積すると、かみ合わせが悪くなり、回らなくなる原因になります。
普段、鍵穴を掃除することはほとんどないですが、屋外に設置されているためわずかな隙間からホコリや塵、砂などが入り込んでいる可能性があるのです。ホコリや塵が内部に蓄積していき、うまく回らなくなってしまうケースも珍しくありません。
内部部品が劣化している
内部の部品が劣化していることも原因の一つです。
鍵穴は毎日使用すること部材であり、何度も使用しているうちに内部部品の劣化が進みます。
一般的な寿命は10年程度とされているため、長年使い続けている場合は内部部品の劣化が原因として考えられます。もちろん、使用環境や外の環境によっても寿命は変わります。
たとえば、風が強いエリアであれば、外気の影響を受けやすく内部に塵などがたまってしまったり、ホコリが入ってしまったりして劣化スピードが早くなってしまうことも珍しくありません。
そういった場合は、10年に満たない場合であっても劣化してしまってうまく回らないことがあります。
鍵は入るけど回らないときの対処法

問題をスムーズに解決するためには、原因をみつけたうえで、適切な対処を行うことが大切です。
ここでは、原因別の対処法を解説します。
ストライクのずれを直す
ストライクのずれが原因となっているときは、元の位置に戻るよう調整しましょう。
ストライクはネジで固定されているため、何度も開閉しているうちにネジが緩んでズレが生じます。
一度、ネジを緩めて位置を調整し、再度固定することでスムーズに回るようになるでしょう。
鍵穴を掃除する
汚れが原因のときは、鍵穴専用のクリーナーやエアダスターを使って、内部の汚れを取り除くことが効果的です。
なお、ホコリや塵などの汚れのほか、小石などの異物が入り込んでいる可能性もあります。
内部に詰まったものがとれないときは、業者に相談して異物を取り出してもらうのがおすすめです。
鍵を交換する
部品そのものが劣化しているときは交換が必要です。
鍵の寿命は10年と言われており、見た目では問題がなくても、摩耗して形が変わっていることがあります。
内部を掃除したり、ズレを調整したりしても改善されない場合は、鍵そのものが寿命を迎えている可能性があります。
業者に依頼して新しい鍵を作成してもらうか、鍵と鍵穴をセットで交換することで、正常に鍵を使えるようになるでしょう。
鍵は入るけど回らないときにやってはいけないこと

ここまで解説したように、トラブルの原因によっては自分で対処することが可能です。
しかし、問題を早く解決しようとして、さらに状態を悪化させるケースも珍しくありません。
ここでは、ついやってしまいがちなNG行為を解説します。
鍵穴用ではない潤滑油を使う
「潤滑油=動きをよくするもの」というイメージが強く、手元にある潤滑油を使おうと考えがちですが、専用品以外の潤滑油を使用するのは避けるべきです。
たとえば、ホームセンターなどで手に入りやすい「クレ5-56」などは、専用品ではないため使用を控えましょう。実際に「クレ5-56」を使用したことで、鍵が回るようになったという声もありますが、一時的に状態がよくなっただけで、より状態が悪くなっている可能性があります。
また、食用油の使用もおすすめしません。時間が経つと内部にべたつきを生じ、逆にほこりなどがたまりやすくなって、詰まってしまうことがあります。
鉛筆をつかった対処法
鉛筆を使った応急処置として、グラファイト(黒鉛)の粉を鍵穴に入れる方法があります。鉛筆の芯に含まれるグラファイトは潤滑剤の役割を果たし、鍵の動きをスムーズにすることができます。
まず、鉛筆の芯をナイフやカッターで削って粉状にします。次に、その粉を鍵や鍵穴に振りかけ、鍵を何度か差し込んでゆっくりと回してみましょう。これにより、鍵穴の内部にもグラファイトが行き渡り、鍵が回りやすくなることがあります。
ただし、この方法も逆に鍵穴に異物を入れることにもなり、修理できたとしても一時的な対処法です。根本的な問題を解決するわけではないので慎重に検討しましょう。
無理やり鍵を回そうとする
無理に力を加えて回そうとするのもNG行為の一つです。
力を入れすぎると、部品が損傷してしまうリスクが高まり、かえって修理費用が高くなります。
まずは原因を冷静に見極め、専用の潤滑剤を注入する、ストライクを調整するなど、適切な対策を行うことが重要です。
鍵穴を叩く・分解する
つい鍵穴を叩いてみたり、分解して内部を確認したりしようとしがちですが、避けるべき行為の一つです。
鍵は精密機器であり、一つでも部品を紛失したり、傷ついたりすると使えなくなるうえに、もとに戻すのも簡単ではありません。
専門知識がない状態で叩く、分解するのはリスクが高いため、対処法に悩んだ時はプロに相談するのがおすすめです。
鍵は入るけれど回らないときに業者に修理を依頼したときの費用相場
修理をプロに依頼するときの費用相場は以下のとおりです。
修理内容 | 費用相場 |
鍵の修理(スムーズに動くようにするなど) | 5,000円~ |
鍵穴の異物を取り除く | 5,000円~ |
鍵の解錠 | 5,000円~ |
シリンダーの交換 | 15,000円~ |
錠前の交換 | 25,000円~ |
鍵の修理(スムーズに動くようにするなど) | 5,000円~ |
修理内容によっては、専門業者に依頼しても1万円以下で済むことがあります。自分で修理するのが不安な方は、業者に相談して確実に修理してもらうのがおすすめです。
まとめ
鍵穴に入るのに回らないというトラブルは、ストライクのずれや内部の汚れ、部品の劣化などが原因で起こることが多く、誰もが経験する可能性があります。
まずは原因を確認し、適切な対処を行うことが重要です。
たとえば、ストライクのずれが原因ならネジを調整する、汚れが原因であればクリーナーで掃除するのが適切な対処法となります。
ただし、原因や対処法がわからないときは、無理に自分で直そうとするのではなく、専門業者に相談するのがおすすめです。