強化ガラスについて、このような悩みはありませんか?
「強化ガラスってどんなガラス?」
「強化ガラスの特徴は?」
「強化ガラスの弱点を知りたい」
強化ガラスという名前を聞くと、頑丈で割れにくいというイメージを持っている方も多いと思いますが、このようなイメージを持っていると実際に使用したときに後悔してしまう可能性があります。
確かに強化ガラスは強度の高いガラスですが、場合によっては子どもでも簡単に割ることができてしまったり、少しの衝撃で割れてしまうこともあるのです。
とはいえ、そもそも強化ガラスがどのようなガラスなのか理解していないと対策することもできないでしょう。
そこで本記事では、強化ガラスの概要や特徴、意外な弱点について詳しく解説します。
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強化ガラスとは?
強化ガラスとは、一般的なガラスよりも強度に優れたガラスのことを指します。
一般的な板ガラスと同じ素材を使用していますが、板ガラスを650℃〜700℃の高温で熱した後にガラス表面に常温の空気を吹きかけて急速冷却することで強度の高さを実現しているのです。
とはいえ、”強度の高いガラス”がすべて強化ガラスと呼ばれるわけではなく、強化ガラスと呼ばれるガラスには決まった特徴があります。
強化ガラスの特徴
強化ガラスの特徴は以下の通りです。
- 一般的な板ガラスに比べて3倍〜5倍の強度がある
- 薄いガラスは存在しない
- 割れたときに粉々になる
それぞれの特徴について、以下で詳しく解説します。
一般的な板ガラスに比べて3倍〜5倍の強度がある
先ほどもお伝えしたとおり、強化ガラスは普通の板ガラスに強度を高めるための加工をしているため、一般的な板ガラスよりも強度が高く、その強度は3倍〜5倍と言われています。
そのため、身近なところで例を出すとテーブルの天板やガラス棚などの家具に使用される場合も多く、簡単には割れない設計となっているのです。
薄いガラスは存在しない
一般的なガラスには2mmや3mmのように薄いガラスがありますが、強化ガラスは強度を保つために薄いガラスは存在しません。
メーカーによっても薄さは若干異なる場合がありますが、一般的に強化ガラスは4mm〜の厚さとなっています。
世界最大級のガラスメーカーであるAGC(旧旭硝子株式会社)の強化ガラスの厚さの展開は以下の通りです。
- 4mm
- 5mm
- 6mm
- 8mm
- 10mm
- 12mm
- 15mm
- 19mm
このように、強化ガラスは極薄のガラスがないという特徴があります。
割れたときに粉々になる
一般的なガラスは、割れたときに不特定多数のガラス片になって飛散しますが、強化ガラスが割れたときは粉々に飛散します。
粉々に飛散すると危険だというイメージを持つ方も多いと思いますが、強化ガラスが粉々に飛散するとき、一つひとつのガラス片は鋭利ではなく丸みをびたガラス片となるため、触れてもケガにしにくいのです。
そのため、万が一ガラスが割れてしまった場合でも強化ガラスであればケガを防ぐことができます。
強化ガラスの弱点
強化ガラスの弱点は以下の通りです。
- 小口への衝撃に弱い
- 一点に集中した衝撃に弱い
- 防犯性能はまったくない
- 後から加工することができない
- 自然に割れてしまうことがある
それぞれの弱点について、以下で詳しく解説します。
小口への衝撃に弱い
強化ガラスは小口への衝撃に弱いという弱点があります。
ガラスにおける小口とは、切断した断面のことを指すため、端の四辺の部分を指します。
小口に衝撃を与えてしまうと強化ガラスを形成している力のバランスが崩れてしまうため、簡単に粉々に砕け散ってしまうのです。
強化ガラスは小口が隠された状態で使用されることも多いですが、棚などのようにデザイン的に隠せない場合もあるため、小口が露出している製品を使用する場合には注意が必要となります。
一点に集中した衝撃に弱い
強化ガラスは一点に集中した衝撃にも弱いという特徴があります。
強化ガラスは一般的な板ガラスよりも強度が強いことが特徴ですが、これは広範囲に圧力が加わった場合における強度となり、一点に集中した場合においては強度を発揮しないのです。
例えば、ボールペンのような先端の尖ったものによる衝撃にも弱いですし、ハンマーのような先端が尖っていなくても一点に集中して力を加えられるものによる衝撃にも弱いことが大きな弱点となります。
一点に集中した衝撃については力を加える必要がないため、小さな子どもでも一点に集中した力を加えられれば簡単に強化ガラスを破ることができるのです。
防犯性能はまったくない
強化ガラスと聞くと防犯対策にも効果的なイメージを持つ方も多いですが、強化ガラスには防犯性能は皆無です。
先ほどもお伝えした通り、強化ガラスは一点への衝撃に弱いため、ハンマーなどで簡単に割れてしまいます。
警視庁によると、空き巣を防ぐためには空き巣犯の侵入にかかるまでの時間を5分稼げば7割ほどの空き巣を防ぐことができ、10分以上稼げばほとんどの空き巣を防ぐことができるというデータがあります。(参照:警視庁「侵入者プロファイリング〜心理と行動③」)
このように、防犯対策において5分以上侵入を許さない防犯対策が必須となりますが、強化ガラスはその気になれば数秒で破られてしまうため、防犯対策として効果がないのです。
空き巣被害において「窓破り」は非常に多い侵入手段となるため、防犯ガラスを単体で窓ガラスに使用することは防犯上のリスクが伴うということを覚えておきましょう。(参照:警視庁「令和元年の刑法犯に関する統計資料」)
後から加工することができない
強化ガラスは衝撃を加えると粉々に割れてしまうため、後から加工することができません。
そのため、オーダーメイドで強化ガラスを作る場合はしっかりと採寸したのちに加工を依頼することが大切です。
もし強化ガラスが完成した後にカットやサイズ調整、穴あけなどの加工を依頼する場合、一から作り直しになってしまいます。
自然に割れてしまうことがある
強化ガラスの中に不純物が含まれていると、不純物が熱などの影響で膨張して自然と割れてしまうことがあります。
防犯ガラスを加工する段階で、ヒートソーク処理と呼ばれる処理が行われており、これは強化ガラスに熱を加えて経過を見ることで不純物によって自然に割れてしまわないかをチェックする処理のことです。
このヒートソーク処理が行われているため、基本的には不純物の膨張によって自然に割れてしまうケースは少ないですが、市販されている強化ガラスであっても自然と割れてしまう可能性は0ではないということを覚えておくといでしょう。
まとめ
本記事では、強化ガラスの概要や特徴、意外な弱点について詳しく解説しました。
強化ガラスは一般的な板ガラスに比べると強度の高いガラスですが、小口や一点の衝撃にとても弱いという大きな弱点を持っています。
そのため、防犯ガラスとして使用できないことはもちろん、普段から使用する場合も衝撃には注意する必要があるのです。
とはいえ、強化ガラスは割れてしまうと鋭利な部分がなく粉々に砕け散るため、強化ガラスが割れたからといってケガをするリスクは一般的なガラスに比べると少ないといえます。
ぜひ本記事を参考にして強化ガラスの弱点をチェックしてみてください。