マンションやビルの玄関ドアには、金属製のドアが使用されている事があります。スチールドアや鉄扉と言われるドアです。この金属製のドアの不具合でお問合せを頂く事も多く、ある一定のお悩みがある事が特徴の1つです。
そのお悩みとは、”鉄扉ドアを修理してくれる業者がいない”というものです。「あ~これはもう修理は無理ですね・・・鉄扉ドアを全体的に交換する必要があります」と大抵の業者が鉄扉ドアの交換を勧めるとご相談を受けます。もちろん修理に対応されている業者もいるのでしょうが、数が少ない可能性は感じます。
本日は、当社で鉄扉修理を行った施工写真や、鉄扉が発生させるトラブル等について考えています。所有しているビルやマンション、はたまた管理している建物の鉄扉でお悩みの方は是非ご覧ください。
鉄扉で起こる代表的な不具合とは?
鉄扉で起こる代表的な不具合と言えば、金属製のドアがドア枠に干渉してドアの開け閉めが困難になる事です。築年数が20年~40年と経過したビルやマンションで起こりやすいトラブルです。ドアの開閉不具合が発生する原因は大きく2つあります。
丁番の不具合
鉄扉本体は2つ、ないし、3つの丁番が取付けられており、その丁番はドア枠と連結されています。重量のある重たい金属製のドアを支え続けている為、長年使うと、次第に傾きを生じさせたり、取付ネジが緩んで正常な位置から数ミリずれてしまう事があります。そもそもドア本体とドア枠の余裕(隙間)は数ミリしかないので、少しのずれも大きな不具合となりドアの開閉が大変しずらくなる事となります。
錆で膨張した為
床の部分が錆びで膨張して膨れ上がりその影響でドア本体と干渉したり、ドア枠部分が錆びで膨張するなど錆の影響により扉を圧迫する不具合も珍しくありません。塗装等のメンテナンスが疎かになると錆びは発生し、金属部分全体に進行して行きます。気付いた時には大きな工事をしないと修復出来ないレベルまで腐食している事もあります。
鉄扉修理は研磨と塗装で行う事が多い
鉄扉とドア枠の干渉が発生したケースでは上記の原因も踏まえ修理を行う事になります。修理できないケース、要は鉄扉の取替をしなければならないケースはご依頼を頂く総数の約10~20%程度です。逆に考えれば80~90%の現場では修理でトラブルを改善していると言えます。研磨と塗装で不具合を修理する事が最も多く、前回ご対応したビルの現場でも3つの鉄扉の不具合を修理しました。
グラインダーで研磨して行きますが、鉄扉を取り外して、扉側と枠側両方を研磨する事もあれば、扉側のみ、枠側のみの研磨の場合もあります。状況に応じて最適な方法で処理を行って行きます。ただむやみにグラインダーを走らせれば良いと言う訳ではありません。スチールの厚みの考慮しながら耐久性に影響がでない範囲で研磨する必要があります。
研磨した部分をそのままにしておくとまた直ぐに錆が発生してしまいます。回りの色味と合わせて綺麗に塗装を施し仕上げて行きます。
丁番を修理する事も忘れずに
忘れてはならない事が丁番のチェックです。必要最低限の研磨作業がベストなので、可能であれば丁番の方でも干渉の緩和が出来ないか検討します。丁番が開いている事もあれば取付ネジが緩んで傾いている事もあります。このあたりを抜本的に解決する方法として丁番交換を行うのが最も確実です。
丁番そのものに品番などの手掛かりになる刻印がある事もあれば、形状やサイズで探し出さなければならない事もあります。30年も40年も経過するビルやマンションで鉄扉と枠の干渉が発生した場合は、研磨と同時に丁番交換も行う方が後々のリスクを減らせるのお勧めです。特に扉を外す作業を行う場合は、丁番の部材代は別途必要ですが、作業費に関してはついでの作業となりますので、殆ど変わらないと思われます。
まとめ
本日は、鉄扉の不具合を修理した現場写真と合わせて、鉄扉は修理が出来ると、ご認識頂ける機会になればと記事を掲載しました。修理費用に関しては内容により3万円~6万円程度で修理する事が多いです。鉄扉交換を行えば30万円以上かかる事もありますのでそう考えれば安上がりかもしれませんね。