防犯ガラスと強化ガラス、漠然と同じようなイメージを持っていらっしゃる方も多いと思われますので本日は、防犯ガラスと強化ガラスの違いについて明確にして行きたいと思います。
防犯ガラス、または強化ガラスなど、通常のガラスよりも頑丈なガラスを必要とした時に、その違いについて明確に知りたい時は是非、当記事をご覧ください。
防犯ガラスとは
防犯ガラスは文字通り「防犯目的のガラス」です。泥棒などから宅内に侵入されない様に設計されたガラスで、合わせガラスとも言われます。但し今から説明するガラスとガラスの間に防犯フィルムが挟み込まれて製作されたガラスで、防犯フィルムの厚さも30mil、60mil、90milと予算に合わせて選ぶ事が出来ます。
1mil(ミル)は0.0254mmなので、30mil=0.76mm、60mil=1.524mm、90mil=2.286mmとなります。
防犯ガラスと言われるには警察庁、国土交通省、経済産業省、民間団体などで構成された「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」で定められた防犯試験に関して「こじ破り」「打ち破り」「焼き破り」それぞれの基準をクリアし認定されます。侵入者がガラスを破る主な3つ方法が認定基準となっているので防犯ガラスを選ぶ場合は、どの程度の防犯性能があるかも十分に検討して慎重に選ぶ事が大切です。
AGC(前、旭硝子)、日本板硝子、セントラル硝子各社から販売されています。
強化ガラスは防犯ガラスには向かない?!
強化ガラスは、通常の板ガラスよりも強度が高いガラスの事を言います。通常ガラスよりもおおよそ3.5倍程の強度があり割れた時にはガラス面全体にヒビが入ります。
強化ガラスの特徴は別の記事「網入りガラス、強化ガラスの違いは何?強化ガラスは割れない?」で詳しく解説していますので参考にして下さい。
強化ガラスを防犯ガラスとして使うのは個人的にはお勧めできません。今まで数々の強化ガラス割れの現場のガラス交換の作業をしてきた経験上、強化ガラスは面の部分に受ける衝撃には強いのですが、泥棒などの侵入者はダイナミックにガラス面を叩き割る事はしません。むしろ、ガラスの角など強化ガラスの苦手な部分に道具を使って細かな割れを作ろうとします。強化ガラスが割れる時は意外と大きな音を立てて”ボンッ”と割れますので、音の防犯効果はありますが、ガラスの被害が発生しますので本末転倒な結果となります。
防犯ガラス、強化ガラスの使用用途
それぞれの特徴を前述でお伝えしました。
防犯ガラスは一定の基準の下、侵入者のガラス割りを想定しその基準を満たしたガラスの事です。まさに防犯の為のガラスで防犯性能を上げる為に予算に合わせて内部の防犯フィルムの厚さが選べます。
一方、強化ガラスは強度を通常の単板ガラスよりも強くしたガラスで面の衝撃には強いガラスです。割れた時に粉々になるのでケガのリスクも減少します。その為、施設や学校で採用される事が多く防犯目的の効果は期待できません。
まとめ
本日は、防犯ガラスと強化ガラスの違いについて記事にしました。色々な特性を兼ね備えたガラスがありますが、使用用途をしっかり認識した上で業者などと打ち合わせすればスムーズに話が進むと思います。