玄関引き戸の召し合わせ部分の鍵の掛りが悪くなったと言うご依頼を頂きました。こちらのお客様は以前ガラス交換で作業をさせて頂いた方で、「前回、すぐに対応してくれて凄く助かった。料金の妥当だと思ったので、今度は鍵の掛りを見て欲しい」と言う内容でした。
築年数は15年、予算も限られているので部材の交換無しで、一旦現状の状況を改善出来ませんか?と言うような内容でした。
玄関引き戸の鍵のかかりが悪くなる原因
玄関の引戸は基本3つの鍵がかかるようになっています。引き戸の障子(引戸の戸)が内側と外側2枚ありますが、右側に寄せて閉める障子は右側に鍵があります。左側に寄せて閉める障子は左側に鍵があり、この左右の鍵をかければ障子が動く事はありませんので、引き戸を開けて誰かが入ってくる心配はありません。玄関引き後にはこの左右の鍵の他、中央部分に2枚の障子をロックする召し合わせの鍵も取付けられています。下の写真の部分が召し合わせの鍵です。防犯機能がさらに向上するので多くの方はこの召し合わせ部分の鍵も掛けると思われます。
そして、実際に引戸の鍵の不具合でお伺いすると多くはこの召し合わせ部分の鍵がスムーズにかからないと言うご相談です。
召し合わせ部分の鍵のかかりが悪くなる原因は大きく3つ考えられます。
鍵(錠)の位置がズレた
毎日の様に上下につまみを可動させる事により鍵本体の位置がズレてしまう事があります。固定ネジの緩みに起因するトラブルです。
修理方法は、固定のビス2本を軽く緩めて鍵をかけます。鍵本体の位置を少しずつズラしながらロックのつまみを上げ下げして行くと鍵のかかりがしっくりくる位置があります。その位置を確認できればそこでネジを固定し修理完了です。
注意点としまして、固定ネジを完全に外すとサッシ内部の背板が滑落してしまう恐れがあります。ネジは緩める程度にして調整しましょう。
錠の内部が錆びている(固着している)
鍵の内部が錆びや摩耗等により動きが悪くなったり固着する事があります。実は修理に伺ったこちらの現場の故障もこの固着によるトラブルでした。スムーズに鍵が閉まる事もあれば鍵を回そうとしても”ガチッ”と噛んでしまい鍵が全く動かなくなる事もありました。修理方法は次の章で解説しています。
錠の破損(経年劣化)
錠の内部が破損していると調整では修理は難しいです。基本錠前の交換になりますので、業者に依頼すると部品代や交換作業費が必要になってきます。ご自身で交換できる人は適合する錠前を購入し交換すればトラブル解決です。
鍵の不具合はコレ1本でサクッと解決!
玄関の召し合わせ部分の鍵をかけていると固くて動かなかったり、”ガリガリ”と無理やりに鍵をかけなければならなくなった時、簡単に修理出来る方法ご紹介します。
シリコンスプレーで錠内部の固着が緩和
シリコンスプレーと言う潤滑剤スプレータイプがホームセンターやネット通販で販売されています。このスプレーを錠の表面や内部に浸透させれば固着や錆で動きが悪くなった鍵をサクッと修理出来ます。
下の写真は「ナフコ」というホームセンターで販売されている物ですが、シリコンスプレー等の潤滑剤であれば特になんでも大丈夫です。
中にはベタベタするものもありますのでドライタイプの方がべた付かずに良いです。
シリコンスプレーを噴射して鍵のつまみを上下に動かし内部になじませて行きます。
錠の破損でなければ、このスプレーと前述した位置のズレを直す方法の併用で大抵の召し合わせの修理が可能です。
鍵の不具合では無いパターンもあります。
玄関引き戸の不具合で、鍵のかかりが悪い場合、鍵(錠)だけでどうにか調整を行おうと思っても上手くいかない事があります。召し合わせ部分の鍵がスムーズにかかる為には内障子と外障子の高さも鍵のかかりに関わって来ます。極端に高さが違うと錠の位置調整だけでは調整が効かずにいくらやっても症状が改善されない事もあります。
この場合の原因はサッシ戸車にあります。サッシ戸車の高さが違う為に召し合わせ錠の位置が合っていなく調整不可となってしまうのです。
実際に鍵屋さんに依頼してもこの戸車調整には対応してくれない業者も多く「サッシ屋に依頼して下さい」と断られるようです。
まとめ
本日は玄関引き戸の召し合わせ部分の鍵のかかりが悪い時の解決方法について解説しました。左右の鍵がかかればとりあえずはOKですが、もし、どちらかの鍵も掛りも悪くなってしまうとそれこそ緊急事態です。召し合わせ部分の鍵も時間がある時に早めに直しておきましょう。