マンションにお住まいのお客様よりサッシの動きが悪いと言う事でご訪問させて頂きました。サッシの動きが悪い場合は、主な原因としてサッシ戸車に起因する原因が多いです。そして今回は結構珍しい”防音サッシ戸車”に遭遇しましたので施工実績として記事にしてみました。
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防音戸車交換の施工実績
早速ですが、防音戸車の施工実績を紹介して行きます。まず不具合を確認する為にサッシをレールから外すのでですが、通常の外れ止めではなく、サッシに切り欠けがありその部分にサッシを移動させサッシを上方向に上げる事によりレールから取り外す仕様です。
【施工前】
施工前はこの様な戸車が取付けられています。あまり見慣れない方には「これって普通じゃないの？」と思える写真かもしれませんが、ぱっと見、普通じゃないですね笑。
取り外すと下の写真の様な感じです。
写真で見ると”車”の上部２つに分かれている所に穴がありますが、そこがネジを取付ける部分です。サッシと戸車をこの２つのネジで固定します。
一般的な戸車は下の写真の様にサッシの中に入り込んいます。さらに面でサッシに当たり固定される事が大半です。今回の防音サッシ戸車は点で固定されており車の部分はフリーな状態でしたので私としては結構レアな感じでした。
【防音サッシ戸車交換完了】
施工後の写真です。指で力を掛けると戸車本体が動きます。もちろん、わざわざこの様に動く仕掛けになっているのです。
マンション戸車交換の注意点
マンションサッシで戸車を交換する時に検討するべきポイントがあります。階段式のサッシか、階段式では無いサッシか。
マンションサッシには階段上にサッシの内側と外側に段が付いている物があります。このサッシの場合は原則純正戸車しか取付できません。築年数が経過したサッシで戸車部品交換が必要な場合、階段式サッシでは戸車供給がストップして流通していないと実質的にサッシの修理が出来ないと言う事になってしまいます。階段式サッシでは無い場合、このケースだと汎用品戸車が使えますので、純正と比較して使用感、耐久性は劣るものの、サッシ交換を検討する程に費用がかかる事はないので応急処置として”修理”が可能なので安心です。
今回の防音サッシで考えると階段式ではないので、純正の戸車が無い場合は汎用品戸車でも対応可能かとも思いましたが、構造を考えていくと、どうもそういう訳には行きそうにありませんでした。詳しくは下記項目でご説明します。
防音戸車の特徴
今回の防音サッシ戸車は上に写真でも確認できる通り”戸車本体が動く”と言う事がポイントです。通常の戸車は面で固定されているので戸車本体が”動く”事はありません。なぜ動くのか。それこそが防音効果を最大限に発揮する為だからです。サッシの開閉時は通常通り車が回転する事で行われます。そして窓を閉める動作をする時、クレセント錠で外側のサッシと内側のサッシを”ガチャ”と閉めてロックをしますが、その時に”戸車本体が動く”事でより気密性がアップする仕掛けになっているのです。通常のクレセント錠のロックではサッシが動いて密着する事はありませんが、この戸車を使用している事でサッシ同士がより密着し気密性、防音性をアップさせます。
この事から汎用品の戸車を使用した場合、本来の防音サッシのしての気密性・防音性が失われる可能性が極めて高く、防音サッシにはやはり純正戸車で対応しなければならないとの結論にいたりました。
今回使用した防音サッシの戸車は「豊和工業株式会社」と言う会社の戸車です。愛知県名古屋市に本社があり東証1部上場企業です。お客様のお宅のサッシ戸車形状などから追って行き探すのに少々苦労しましたが、戸車問い合わせの対応の良く、部品もすぐに出して頂けましたのでラッキーでした。
防音サッシが取付けられている地域
防音サッシが使用されている地域はある程度限定されています。そもそも防音サッシは作りが頑丈でコストも非常に高いです。防音サッシに入っているガラスもやはり分厚いガラスの事が多いです。通常は4mm型板ガラスが入っているだろう部分にも６ｍｍ型板ガラスが入っています。
防音サッシは航空自衛隊のある地域、空港が近い地域や飛行機が低空で飛ぶ地域に多く使用されています。当社で実際に防音サッシの修理に伺ったエリアとして福岡県行橋市、築上郡、福岡市博多区、福岡市南区です。他の地域でももしかしたが防音サッシが使用されているかもしれませんが、記述した地域に関しては航空自衛隊や福岡空港に近いので国などから経済的支援があり設置出来た。とお客様からお聞きしました。
まとめ
本日は防音サッシの戸車交換を行った現場の施工実績を掲載しました。防音サッシについての豆知識も合わせて記述しましたので何かの参考にして頂ければ幸いです。
