本日はペアガラスの内部結露についてご説明します。ペアガラスは結露防止の為に設置を行う方も多いと思いますが、ガラスの結露は一般的にガラス表面(手で触れる事の出来る部分)に発生します。室内の気温と外気の温度、室内中の湿度などが関わって発生する結露ですが、ペアガラスには内部結露と言ってガラスとガラスの内部で結露する症状が稀に発生します。この部分の結露に解決策はあるのか?何故結露するのかについての記事です。
そもそもペアガラスとは窓サッシの中で室内側と室外側のガラスがあり2枚ある複層ガラスの事です。ガラスはサッシ内部で1つの商品として組まれており、室内だけ、や室外だけの取り出しは出来ません。
<ガラス|空気層|ガラス>の構成で1組のペアガラスが作られてそれがサッシに固定されています。一見外と内と別々のガラスに見えますが実際は1組のガラスだとまずはご理解下さい。
ペアガラス内部に結露が発生する原因
ペアガラスの内部に結露が発生する理由はズバリ”気密性が壊れた”と言う事です。通常ガラスとガラスの間の空気層(中間層)には「乾燥空気」「アルゴンガス」「真空」となっており外の空気が入らない構造です。その事でペアガラスは室外のガラスと室内のガラスを空気層で隔りを作る事で室内側のガラスに結露が付きにくい環境を作っているのです。
この中間層のどこかに”亀裂””隙間”が出来ると外の空気が中間層に入ります。外部の空気は水分を含んでいるので中間層に入った空気中の水分により空気層(中間層)に結露が発生。この事が内部結露と言われる状態を生み出します。
内部結露の根本的な解決策
内部結露の根本的な解決方法はペアガラスの交換です。一旦入ってしまった外部の空気を抜き出す事は極めて困難です。仮に理論上抜き出す事が可能であってもコストが合わなくペアガラスを新しく交換した方が合理的でしょう。従って一度内部結露を発生させたペアガラスは交換する以外結露を解決方法はありません。
内部結露した水滴を拭く事は出来ないのか?
ガラスを交換する予算や時間がなかなか取れない方もいらっしゃいます。その場合どうにかしてペアガラス内部の結露を拭く事ができないのか。気になりますね。結論から申し上げればガラスとガラスの間に雑巾などを入れ込んで拭く事は出来ません。サッシから取り外してもペアガラスは周囲が密閉されているので拭く事は無理です。ではこの結露はこのままにしておかなければならないのでしょうか。蒸発させればよいのでは?とドライヤーなどで乾かそうとされる方もいらっしゃいます。網入りペアガラスなどは急激に熱でガラスがひび割れをしてしまう危険性もあります。乾燥させると言う考え方は良いですがあくまでも自然乾燥に頼るしかなさそうです。
内部結露が発生する季節
内部結露が発生する時期は”冬季”に起こりやすいです。これは窓の表面結露と同じイメージですね。冬を過ぎるとペアガラスの内部結露は発生しにくくなります。「あ~取り敢えず収まったので、ま~いいか~」と油断すると後々あまりよくない事になります。
内部結露を放置している事によるデメリット
内部結露をそのままにしておくメリットは1つもありません。
デメリットとしては基本的にペアガラスとしての機能性が損なわれているので早めの交換が必要です。なによりカビを発生させる可能性が高くなり見た目も汚くなって行きます。実際にあったケースではペアガラス内の内部結露が酷くなってペアガラス内部が水槽の様に水で一杯になったお客様もいらっしゃいました。北側の部屋であまり日が当たらない方角で起こった症状です。また常に水分を含んでいる状態はサッシや周りの建具にも影響を及ぼしてしまう可能性も高まります。”百害あって一利なし”の状況です。
ペアガラスの交換費用
ペアガラスが内部結露を起こした場合はガラス交換をしなければならない事はご理解頂けたと思います。では実際に費用はどれくらいかかるのか?
ペアガラスの大きさや通常ペアガラス、網入りペアガラス、Low-eガラスなど種類やガラス構成によっても異なりますので参考として目安を掲載します。
・通常ペアガラス
800×800=12,000円
800×1800=20,000円
・網入りペアガラス
800×800=18,000円
800×1800=32,000円
・Low-eペアガラス
800×800=15,000円
800×18,000=28,000円
※一般的な参考価格となります。施工費・諸経費が別途必要です。
ペアガラスの内部結露には保証がついている事がある
新築物件やペアガラスを交換して間がないお客様はガラスに保証がついているか確認してみると良いです。ペアガラスの内部結露は製造メーカーにより10年程度保証がついている事も珍しくありません。問い合わせ先は建築業者や施工店となります。メーカーがわかればメーカーに問い合わせする事もアリですが保証期間内なかのメーカーでは確認できない事もあります。
まとめ
ペアガラスで内部結露が発生した場合は出来るだけ早めの交換がお勧めです。本日はペアガラスで内部結露が発生した場合の包括的な視点から解説をしてみました。何かの参考にして頂ければ幸いです。